インターナショナルダークスカイ協会

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都市の影響による夜空の明るさの推測


 私たちが空の明るさの増加を推測するのに使う公式は、「ウオーカーの法則」と呼ばれる。この式は、Merle Walkerが提案し、カリフォルニア州にある多くの街の空の明るさの測定結果に基づいている。 rキロメートル離れた都市の光源に向かって、天頂からの角度45゜を見上げたときの明るさを推測するのに使うことが出来る。
公式は: I = 0.01 x Population x r ^-2.5
ここでIは、自然背景を越える明るさの増加(例えば、0.02とは自然の状態から2%多く、1.00は、自然背景の明るさの2倍、つまり100%の増加である)。上に記したように、rは、観測地から市街中心までの距離をキロメーターで測った値である。

 この式は、一人当たりの平均ルーメンが500から1000ルーメンのコミュニティーに最も良く当てはまるようだ。大都市は、一人当たりで更に多くの光を出し、明るさの増加は、多分式の結果よりも大きい。人口は、勿論市街地の全人口である。例えば、観測地から100km離れた人口百万の街が原因となる明るさの増加は、0.10つまり10%となる。

例1:街から特定の距離にある観測地の空の明るさを10%増加させる市街地の人口を計算できる。

     距離 (r):   10 km     25 km    50 km     100 km     200 km
     人口:       3,160    31,250   177,000  1,000,000   5,660,000

例 2: 次の都市によるキットピークの空の明るさの影響を考えてみよう:

                        人口            距離         I
     ツーソン          500,000         60 km      0.18 ( 18% の増加)
     フェニックス    1,250,000        160 km      0.04
     セルズ              5,000         16 km      0.05

これらは、1980年のおおよその人口である。もし、ツーソンが1,000,000人にまでなれば、I=0.36、そしてアブラバレー(r=30km)が250,000人になれば、それだけでI=0.51となる。我々は、もっと低い空の明るさを保持しなければならない。なぜ、人口の増加を懸念しなければならないかが簡単に分かる、天文台の近くで起こる場合は特にそうだ。(キットピークでは、空の明るさが6%しか測定されておらず、屋外照明の規制は効果がある!)

例 3: 空の明るさの距離による減衰効果

     距離 (r)    10    20    30    40    50    60    80    100 km       
     明るさ     316    56    20    10     6     4     2      1        

自分で計算を試してみよう

都市の人口 (コンマ無し):  
都市からの距離 (km):

終わったらここをクリックする:

注:天頂での「自然の背景」のレベルは;2x 10^-4 cd m²、または; 21.6 mag. per arcsecond²とした。これは、天頂角45度で最大となる。


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 本資料の著作権は、IDAにあります。例外の場合は、それぞれ明記されています。この資料をIDAに著作権があることを明示した上で、非営利目的で使用する場合は、複製する事に問題ありません。 日本語の翻訳は、IDAのメンバーである、わかばだい天文同好会が行いました。