わかばだい天文同好会


1996年度夏スターウオッチング観察結果


 わかばだい天文同好会は、1996年度夏のスターウオッチングに参加した。その観察結果を報告してみよう。
 この同好会は、横浜市の郊外にあり、横浜市の中心から北西へ約12kmの住宅地にある。近辺には、まだ随所に林や森が残り、蛍の生息する場所もある比較的自然に恵まれた条件である。観測結果としては、人口の多い都市郊外のものであり、都市に住む天文家の参考になると思われる。

 微かではあるが天の川が在ることが分かる観察結果もあり、都市近郊でも、星空を取り戻す事が充分可能な事を裏付ける事が出来た。


観察結果
(1)肉眼による天の川の観察
観察日白鳥座たて座わし座
8月4日
8月6日
8月11日
8月15日
8月18日
注:
1.天の川の見えた位置の欄について、○は見えた事を、−は雲があって見えなかった事を、△は周囲の光の影響で見えなかった事を、×は雲と光で見えなかった事を、+はその他を示す。

観察結果
(2)双眼鏡を用いたこと座の観察

観察日のべ人数観察日の天候観察日の透明度平均等級最大等級
8月4日晴れ6/106.57.6
8月6日晴れ6/107.67.6
8月11日晴れ7/108.48.4
8月15日晴れ7/108.48.4
8月18日晴れ6/106.86.8
注:
1.観察に使用した機材:7x50双眼鏡
2.8月15日は、天頂付近で4等星以上を肉眼で確認出来る条件の良い観察が出来た。
まとめ

 今回の観察日にお盆休みと重なった日があり、8月11日(日)と15日(木)は良い結果が出た。中でも15日は、目で見た透明度と天候は他の観察日と余り変わりがない条件にも関わらず、結果は一番良い。お盆休みで空気の汚れが少なくなった影響があると予測される。双眼鏡で観察した時、その差はおおよそ光度1等の差と見積もる事が出来る。

(1)肉眼による天の川の観察
 15日は、微かに天の川の存在を確認した。白鳥座からわし座にかけて、天の川の明るい部分と暗い部分の差をかすかではあるが確認している。

(2)双眼鏡を用いたこと座の観察
 平成7年度夏の環境庁の観察結果によると、条件の良い山間部で12等級、小都市(人口10万人未満)でも9.3等を観察出来ている。
 このことから横浜市郊外は、条件の良い山間部に比べ、空気の汚れの少ないときで約3等、汚れの多いときは4等以上見えにくくなっていることになる。
 更に小都市と比較すれば、それぞれ1等と2等程見えにくくなっていることが分かる。

 天の川を観察できた意義は大きい。少しの努力で星空を都市近郊でも取り戻せる可能性が充分在ることを知ることが出来た。


今後の課題

 スターウオッチング終了後も継続的に観察する意義がある。特に光害だけではなく、大気の汚れの影響もある程度知ることが出来ると予測される。


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わかばだい天文同好会は、横浜市旭区にある若葉台の人たちの為に。毎月一回の「星を見る会」を主催しています。スライドを使った季節の星座の説明と、実際に大きな望遠鏡を使って星を眺めてもらいます。同時に、地球に住む人類の共通の財産である星空を守る活動を進めています。

この資料の著作権は、わかばだい天文同好会にあります。非営利の目的で、光害の対策に役立つなら著作権を明示した上で、自由にコピーし、配布して下さい。


Last update: 1996 August 17