その年12月にはちょうど地球温暖化対策会議COP3が京都で開催されるこ とが新聞紙上で報道されている頃です。 「横浜市の照明はどうなって いるのだろう?」 こんな疑問を持ち、調査してみました。
結果は、 エネルギーの無駄がこんな身近なところで起こっている のにあらためて驚きました。それだけではありません。照明によっては、 眩しさやギラギラ の原因となり、車を運転する人たちと歩 行者にとっても危険になっていることに気づきました。具体的に見てみましょ う。
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無駄になった照明折角の照明に遮蔽板を取り付け、約半分の光を使っていないわけです。この理 由は、自転車置き場の近くに住宅があり、「眩しい光」が住宅に届かないよう にしたものです。 最初から自転車置き場だけを照明する 適切な照明器具を選 択するべきでは無かったのではないでしょうか。そうすればもっと小さなラン プを使うことも出来たはずです。
今では、住宅に面した3本の照明はほとんど点灯されることはありません。照
明を設置するときに充分な検討さえしていればこんな事にならなかったはずで
す。折角の照明が無駄になってしまいました。 |
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住宅の壁を明るく照らしている街灯手前に何も写っていない様に見える暗い場所は歩道です。通行する人が明かり を必要とする道路の上では無くて、道路沿いにある 住宅の壁 がもっとも良く照明されているのが分かります。 少なくとも50%近くの光が本来必要な場所では無く、横方向(住宅の壁)や、 上方に向けられて無駄になっているのです。
更にこの写真の中で一番明るく輝いて見えるのは、ランプそのものです。ラン
プが直接見えることは、歩行者にとって眩しく視認性を悪くする場合がありま
す。
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住宅の窓から入り込む光この様な光は 漏れ光 と呼ばれます。出来るだけ少なくすることが大切です。 |
タクシーやバスを運転する人に聞いてみると、道路の近くにある照明が
眩しくて、 「疲れているとき」 や 「雨の日」
には邪魔になることがあると聞きました。
眩しさを作り出し、邪魔になっている光−こんな事があって良い
のでしょうか?色々な事を十分検討した上で照明を設置する必要があることが
分かって来ます。
マクドナルド天文台提供 |
解決策は難しくはありませんこの様な照明器具をアメリカでは 「フルカットオフ」 と呼んでいます。 例えば、ロスアンジェルス市では、フルカットオフ型の照明を全ての道路灯に 使用しています。そしてそのような動きは活発に諸外国で始まっています。 私たちに求められているのは、この様な適切な照明器具を選択し、より小さな 効率の良い光源(ランプ)を使う事です。また照明メーカと施工する方達に対 し、適切な器具を提供いただけるよう求めていくことだと思います。 省エネルギーに貢献し、眩しさやギラギラの少ない照明器具は、メーカと市町 村そして私たち市民が協力すれば可能な技術です。そして結果的にエネルギー の無駄をなくし、大切な地球環境を守ることにつながります。 |