ランプが車や歩行者から直接見える例
ところが秩序のない、野放しの照明がたくさんの問題を出し始めている事も事
実です。照明の正しい使い方が望まれ、照明について考え直す時が来ています。
問題の一つには、眩しさがあります。白熱灯に比べて水銀灯やナトリウム灯は、
大変明るく、上の写真の様に光っているランプが直接見えると車の運転や歩行
者にも危険の可能性があります。この様な眩しい光で特にひどいものを障害光
とも呼びます。眩しさの少ない「カットオフ」や水平以上に光の出ない「フル
カットオフ」タイプの適切な器具を使って、光を正しくコントロールすること
は、大切な事です。
エネルギーの無駄も問題の一つです。右の様な例では、光が必要な歩道上では
なく、住宅の壁や空に向けられており、無駄になっています。フルカットオフ
器具を使う事で、必要な場所を適切な照度(JISなどに推奨されています)で
明るくし、無駄も少なく、そして眩しさが少ない為に、夜間の視認性も大きく
向上します。
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歩道ではなく、住宅の壁を明るく照らしている照明−横浜市
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1997年12月に京都で開かれた地球温暖化対策会議で、日本は二酸化炭素
を6%削減することを合意しました。CO2を削減する為にも、例えばアイドリン
グストップでエンジンを必要な時だけ動かす事と同じように、照明についても
赤外線センサーやタイマースイッチを使って、必要な時だけ点灯し、省エネを
実現する時が来ています。
一晩中点けっぱなしのマンションの廊下灯です。この様な無駄が あることに気付いてください。ヨーロッパでは、必要な時だけ明かりを点灯す るタイマースイッチが使われています。(実例が次のページにあります) |
企業や商店でも宣伝や広告の為に、互いに競争するように明るく、大きな照明
を設置する場合があるようです。広告照明は、広い範囲に影響を及ぼし、ギラ
ギラした屋外照明が景観を台無しにすることもあります。看板は必ず上から下
へ照らすような、適切な配慮をお願いしたい所です。同時に障害光や漏れ光の
少ない効果的な照明で、車の運転や、歩行者に安全な照明を実現し、無駄な光
を抑え省エネにも配慮する必要があります。
ガソリンスタンドでも眩しさを防ぎ、省エネルギーを十分考える必要 があるのではないでしょうか |
正しい屋外照明を設置することで、その恩恵を受けるのは、全ての人です。市 民の快適で安全な生活、美しい夜景の中でいきいきと活気のある街、そのよう な演出を秩序ある照明の使い方で実現し、そして地球環境を守ることも出来ま す。誰もが利を受ける正しい照明の使い方に気付いて下さい。
スーパマーケットで使われているフルカットオフ型照明。(横須賀市) |
民間のアパートで使われているタイマースイッチと階段灯です。夜間階段に人が近づくとセンサーが働き照明が点灯します。その後約一分間で自動的に消灯します。この例は、照明が必要な時だけ使われる理想的な照明の設置例です。(横須賀市) |
スマートライトプログラム事務局 国際ダークスカイ協会日本セクション |