Personnel Management Office Report

9月号

発行日:平成16年9月1日

永浦労務管理事務所からの人事・労務に関する情報発信

 

(前書き)いままでになく盛り上がったアテネオリンピックも閉会となりました。人間が100メートルを9秒台で走ろうが、40秒台で泳ごうが、この科学技術の時代に、そのこと事態はたいしたことではないものかもしれません。しかし、目標を達成するために積み上げる研鑚・研磨、勝負に勝つために智謀知略、そして、世界最高度の洗練された技術は、大衆を感動させ、マスコミを通じビッグ・ビジネスとなって行きます。映画・テレビ番組・音楽などのマスメディアにのるコンテンツが乏しいと言われて久しい日本ですが、今回のオリンピックは、そのことを突き破るための大きなヒントになるのかもしれません。

 

最近のニュースから

 

 国民年金保険: 事務所ごとに徴収ノルマ 社会保険庁  

社会保険庁は2日、6割台にとどまっている国民年金保険料の納付率を07年度に8割に引き上げる目標を達成するため、全国312カ所の社会保険事務所ごとに年度ごとの引き上げ目標を定める方針を決めた。民間から初めて起用され、先月23日に就任した村瀬清司・同庁長官が、「民間的手法」の第1弾として各事務所単位の数値目標導入を指示した。「納付督促のための個別訪問は月何件必要か」など詳細な行動計画を作り、毎月取り組み状況を確認することで納付率の着実な改善を目指す。  行動計画は社保庁側から事務所ごとの目標を示し、同庁と事務所が協議して決める。  社会保険庁は03年度から07年度までの5カ年計画として納付率8割の達成を目標に掲げた。ところが、初年度の03年度は前年度比0.6ポイント増の63.4%にとどまった。社保庁は03年度に22の社会保険事務所を収納対策強化対象にしたが、大半の社会保険事務所は年度ごとのおおまかな目標があるだけで、このままでは8割の目標達成は難しいと判断した。  全体の納付率8割は97年度の水準で、行動計画では各事務所の97年度実績まで納付率を改善させよう求める。年度ごとの納付率目標は、単身世帯の保険料免除基準緩和など制度改正による影響と納付督促の取り組みなどを考慮して決める。各事務所には、制度改正による保険料の免除や猶予の対象者が確実に申請手続きを行うよう働きかけさせる。  納付の督促では、特に納付対象者1801万人の18.2%を占める327万人の長期未納者(2年以上の滞納)対策を重視。長期未納者には最低年1回面会し督促する。事務所管内の全長期未納者を対象とした月ごとの訪問計画を作成、長期未納者の一定割合から納付を得られると想定して、納付率目標を立てる。現行の徴収体制では人手が足りない場合は、事務所内の他部署から応援を出して対応を求める。 毎日新聞 2004年8月3日


 労組プロ野球選手会への協力を決定/連合    

連合の笹森会長は12日、労働組合「プロ野球選手会」の古田会長と会談した。古田会長は球団合併・球界再編問題の現状を説明し、選手会が行っている署名活動などへの支援・協力を要請。これに受けて、連合は20日の中央執行委員会で、選手会への協力を正式に決定した。
 また、1リーグ制に反対する「野球の未来を作る会」では、8月28日(土)に、日比谷公会堂で第1回イベント「For The Future Baseball - 野球の未来を僕らの手で! -」を開催し、悪天候の中、会場に約500名のファンが参加した。
 プロ野球選手会は、1985年に東京都地方労働委員会に労働組合としての認定を受け、労働組合となっている。

今月の統計
みなし労働時間制の採用状況

大企業ほど多いみなし労働時間制の採用

平成15年における企業の従業員の規模別のみなし労働時間の採用状況の調査によると、「専門業務型裁量労働制」及び「事業場外みなし労働時間制」ともに、企業規模が大きくなればあるほどこれらの採用状況が高くなってくるのがわかります。これはもちろん大きな企業ほど色々な業務を行う部門が増えてきて、よってみなし労働時間制を採用することが適している事業部門も存在しやすい一面もありますが、一方、大企業ほど専門の労務管理の担当者がいるなど、労務管理技術の高さの違いも無視できない事実のようです。
企業規模 専門業務型裁量労働制(%) 事業場外みなし労働時間制(%)
調査産業計 1.4 7.3
1,000人以上 7.4 15.9
300〜999人 4.3 16.3
100〜299人 2.3 10.2
30〜99人 0.7 5.4

(出典:平成15年 厚生労働省)


行政


過労運転命令で書類送検/3人死亡事故で神奈川県警  

共同通信によると、東名高速道で3月、トラックが渋滞に突っ込み3人が死亡した事故で、神奈川県警高速隊は26日、運転手の過労を知りながら業務させたとして、道交法違反(過労運転下命)容疑で愛知県豊川市の運送会社「丸進運輸」の社長(51)と法人としての同社を書類送検した。  調べでは、社長は同社運転手(36)=業務上過失致死傷罪で起訴=に対し3月19日午後、仮眠を中断させて翌20日未明まで配送業務を続けさせた疑い。  運転手は事故前の約1カ月で勤務時間が約370時間に上っていた。社長は「健康管理が十分でなかった。重大な結果を招き申し訳ない」と話しているという。 8月26日  


(あとがき) 毎年9月1日は、防災の日です。1923年(大正12年)の同月同日に関東大震災が起きてから81年が経ちました。幸いその間、関東地方では、大きな地震を経験していませんが、阪神大地震のような他地域での大災害、地下鉄サリン事件のようなテロ、石油ショック・狂牛病などによる経済的災害は、その後も多数ありました。また、最近の美浜原子力発電所の事故のようなものがいつ自身の企業に降りかかるかもわかりません。企業が、事故・災害に備えるための労力・コストをどこまでかければいいのかということは実に難しい経営判断になると思いますが、災害が起こったら起こった時に考えればいいのだと言う考えだけは避けるべきと考えます。