Personnel Management Office Report

1月号

発行日:平成17年1月1日

永浦労務管理事務所からの人事・労務に関する情報発信

 

(前書き)新年明けましておめでとう御座います。今年も人事労務に携わっている皆様のために少しでも役に立つ情報をタイムリーに提供できるように心がけて参りたいと思います。今年の4月からは、改正育児介護休業法が施行されます。雇用保険料の改定も同時期ですね。国民年金の保険料も改定されます。さらに、9月には、厚生年金保険料の改定される予定です。
就業規則の変更、保険料の再計算等人事労務にかかわる仕事が増える年になりそうです。

 

最近のニュースから

 

有効求人倍率、増加傾向続く

平成16年11月の一般職業紹介状況をみると、有効求人倍率(季節調整値)は0.92倍となり、前月を0.04ポイント上回った。  11月の有効求人(季節調整値)は前月に比べ7.8%増となり、有効求職者(同)は2.4%増となった。  11月の新規求人は前年同月と比較すると21.6%増となった。これを産業別にみると、前月に引き続き、情報通信業(70.6%増)、サービス業(36.0%増)、医療,福祉(15.6%増)、飲食店,宿泊業(14.2%増)は増加となった。建設業(19.7%増)、教育,学習支援業(16.5%増)、運輸業(13.8%増)、製造業(13.3%増)、卸売・小売業(9.9%増)は減少から増加となった。


労働組合の組織率、減少傾向止まらず

厚生労働省は、平成16年における労働組合の推定組織率を発表した。
労働組合及び労働組合員の状況  平成16年6月30日現在における単位労働組合の労働組合数は62,805組合で、前年に比べ1,150組合減(1.8%減)となった。  単一労働組合の労働組合員数は1,030万9千人で、前年に比べ22万2千人減(2.1%減)、10年連続の減少となった。  推定組織率は19.2%で、前年の19.6%に比べ0.4ポイントの低下となり、低下傾向が続いている

今月の統計


正社員が減少する一方、派遣社員が増加

 労働力調査の従業上の地位別労働者の動向をみると、正規の職員・従業員(以下「正規雇用」という)は減少傾向が続いているが、パート・アルバイトの増加幅が緩やかになる一方、労働者派遣事業所の派遣社員(以下「派遣労働者」という)の顕著に増加している。  派遣労働者の増減は、改正労働者派遣法(物の製造業務に対する派遣解禁、派遣期間を1年から最長3年に延長など)施行の影響やアウトソーシングの拡大といった流れを受けて、04年第2、3四半期に増加幅を拡大している




*総務省「労働力調査特別調査」、「労働力調査詳細結果」、厚生労働省「毎月勤労統計調査」、「就業形態の多様化に関する総合実態調査」、「労働力需給制度についてのアンケート調査」により作成。

今月の判例


<出会い系サイト>勤務中投稿教師に解雇無効判決 福岡  

 学校のパソコンで仕事中に出会い系サイトに投稿したことなどを理由にした解雇は不当だとして、久留米工業技術専門学校(福岡県広川町、廣瀧勲校長)の50代の元男性教師が解雇無効などを求めた訴訟の判決が17日、福岡地裁久留米支部であった。小山邦和裁判長は解雇無効を認め、同校を運営する学校法人・久留米工業大学(喜多村禎勇理事長)に15カ月分の給与など約1000万円の支払いを命じた。  小山裁判長は「勤務中のメール送受信やモラルを欠いた投稿は服務規則違反に当たる」と指摘した。しかし「仕事に支障は来しておらず反省もしており、懲戒解雇は過酷すぎる」と述べた。  判決によると、元教師は01年4月から、勤務中に校内のパソコンを使って複数の出会い系サイトに書き込み、多数のメールを送受信した。学校側は昨年9月に解雇した。 (毎日新聞) - 12月18日


松下電器の年金減額は適法 「不況で必要性あった」  

共同通信によると、松下電器産業(大阪府門真市)が、退職金の一部を預かって運用し支給する「福祉年金」を一方的に減額したのは契約違反として、滋賀県内に住む退職者3人が、減額分の支払いなどを求めた訴訟の判決で、大津地裁は6日、請求を退けた。   判決理由で稲葉重子裁判長は「不況が続く中、会社の経営状態などから年金の利率を引き下げる必要性があった。引き下げで生活に深刻な影響はない」などと減額を適法と判断。減額分の支払い請求を棄却、減額前の金額での将来の給付請求に関する訴えを却下した。   同社の福祉年金をめぐっては、全国の退職者約百人が同様の訴訟を大阪地裁に起こしている。   判決によると、3人は1997〜2002年の退職時にそれぞれ年 9.5 〜 7.5 %の利率で会社側と福祉年金契約を締結。しかし、会社側は退職後、経営悪化などを理由に同意のないまま利率を一律2%引き下げた。   訴訟で退職者側は「年金は老後の生活を支えるもので、利率は一方的に変更できない」と主張。松下電器側は「当初は世間の水準を超える高利率で、引き下げは社会常識の範囲内」と反論した。   退職者側は控訴の方向で検討中。松下電器は「主張が認められ適切な判断だ」としている。 12月6日


(あとがき) インド洋における津波の被害が報告されています。日本人の行方不明者だけで数百人にのぼる模様です。日本では、現在、地震が起きると津波情報も同時に流され海岸にいる人々に注意を促しますが、今回多くの犠牲者を出した国々ではそのような体制は出来ていなかったようです。ある事態に陥ったときの代償が大きければ大きいほどそのことに備えるための日ごろのコストは正当化されるべきものです。危機管理の基本を思い起こした次第です。