Personnel Management Office Report 7月号 発行日:平成17年7月1日 |
永浦労務管理事務所からの人事・労務に関する情報発信 |
(前書き)社会保険の基礎算定届の準備は出来ましたか。社会保険事務所から細かな説明について書類が届いていると思います。さて、関東地方では梅雨の不安定な天候が続いています。定期健康診断等を通して十分な健康管理に心がけてください。
最近のニュースから |
外国語学校を一斉調査 社保庁、外国人講師保険未加入で
外国語学校が外国人講師の多くを社会保険に加入させずに保険料逃れをしてい
る疑いがあるとして、社会保険庁は、外国語学校を運営する企業約750社すべ
ての立ち入り調査を始めた。健康保険法と厚生年金保険法では、2カ月を超えて
常時働く人に対し、国籍を問わず、健康保険と厚生年金に強制加入させることが
定められている。保険料は労使折半だが、十分な説明を受けないまま未加入に
なっている外国人講師は少なくないといい、社保庁が是正する。医療費が全額自
己負担になるなど加入を訴える声があがっていた。
社保庁によると、以前から加入漏れの話があり、一部には指導もしていたが、
なかなか改善されないため、今回の調査に乗り出した。
外国語学校は、経済産業省の調査で、02年現在で、外国人講師が約1万
5800人。社保庁が特定の業界を全国一斉調査するのは異例という。
社保庁によると、雇用する際、加入義務の制度を説明せずに強制加入させてい
ないケースが多いという。健康保険の代わりに子会社の扱う海外旅行保険を紹介
している場合もあるとされる。 大手英会話学校ベルリッツ・ジャパンでは、外国人講師約1200人のうち希
望した100人だけが加入しているという。
社保庁はこうした実態を重視、全国の社会保険事務局職員が学校側に立ち入
り、勤務表や雇用契約書などを調べ、加入対象者なのに未加入者がいた場合は加
入させる。 2005年06月06日
会社法が成立、来春施行へ・組織再編やM&A容易に
企業経営の基本ルールを定めた商法や有限会社法などを抜本的に改めて再編した会社法が29日午前の参院本会議で自民、民主、公明、社民各党の賛成多数で可決、成立した。設立から組織再編、M&A(企業の合併・買収)とその防衛策など幅広い場面で規制緩和し、機動的な企業経営ができるようになる半面、株主から厳しく経営責任を問われるようになる。
施行は来年春になる見込み。同法制定は1990年度に始まった商法の抜本改正の総仕上げであり、政府は国際競争力の強化や中小企業の活性化につながるとみている。商法は文語体のままのため、会社規定が分かりやすい口語体に置き換わる。
会社の仕組みでは、有限会社制度を廃止して株式会社に一本化。ベンチャー企業向きとされる「合同会社」を新設する。新規創業の促進を狙い、最低資本金制度を撤廃し、時限措置だった「1円起業」を恒久化させる。
(6月30日)
今月の法改正 |
障害者の雇用の促進等に関する法律
【背景】 障害者の社会参加に伴う障害者の就業に対するニーズの高まり
障害者の就業機会の拡大による職業的自立を図ることが必要
精神障害者に対する 雇用対策の強化
在宅就業障害者 に対する支援 障害者福祉施策
との有機的な連携
【改正の主な内容】
(1)精神障害者に対する雇用対策の強化 |
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(1)障害者雇用率制度の適用 | ||
○ 雇用率制度の適用に当たって、精神障害者(精神障害者保健福祉手帳所持者)である労働者及び短時間労働者を各事業主の雇用率の算定対象とする(短時間労働者は1人をもって0.5人分)(法定雇用率(1.8%)は現行どおり)。 | ||
(2)障害者雇用納付金制度の適用 | ||
○ 納付金の徴収額、調整金・報奨金の支給額の算定に当たって、上記(1)と同様に取り扱う。
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(2)在宅就業障害者に対する支援 | |||
○ 自宅等において就業する障害者(在宅就業障害者)に仕事を発注する事業主については、障害者雇用納付金制度において、特例調整金・特例報奨金の支給を行う。 | |||
○ 事業主が、在宅就業障害者に対する支援を行う団体として厚生労働大臣の登録を受けた法人(在宅就業支援団体)を介して在宅就業障害者に仕事を発注する場合についても、同様に取り扱う。 |
この法律は平成十八年四月一日から施行する。
今月の判例 |
研修医「労働者」と初判断 最高裁「労務の提供ある」 劣悪条件の改善後押し 関西医大の未払い賃金訴訟
共同通信によると、過労死が認定された関西医大病院(大阪府守口市)の研修医=当時(26)=の未払い賃金をめぐり、遺族が「最低賃金の水準を下回っているのは不当」として、病院側に差額分の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(福田博裁判長)は3日「研修医は労働基準法上の『労働者』に当たる」との初判断を示した。
その上で病院側に、約2カ月分の最低賃金との差額約
40 万円の支払いを命じた一、二審判決を支持、病院側の上告を棄却した。
研修医の劣悪な労働条件は多発する医療事故の背景ともされており、「労働者の立場」との司法判断が確定したことで、病院側は賃金や勤務時間、労災補償など環境面での条件整備を強く求められそうだ。
判決理由で福田裁判長は「臨床研修は医師の資質向上を図る教育的な側面もあるが、指導に基づき医療行為などに従事すれば、病院の指揮監督下で労務を提供したといえる」と指摘。今回のケースについて「病院は医療行為に対して払った奨学金に源泉徴収もしており、労働者として最低賃金を支払う義務があった」と判断した。
訴えていたのは 1998 年に急性心筋梗塞で死亡した森大仁さんの母親ら。一、二審判決によると森さんは関西医大を卒業後、同大病院に研修医として勤務したが、大学は月6万円の奨学金しか給付せず、共済制度にも加入させなかった。
遺族側は過酷な勤務が死亡原因として病院側に損害賠償などを求める訴訟も起こし、計約
9,300 万円の支払いを命じた二審大阪高裁判決が確定している。
6月3日
(あとがき) 郵政民営化法案をめぐり、国会がまだまだ不透明です。現在、まだ同法案に異議を唱え郵政公社関連の団体の後援会を持つ国会議員のグループがどのような動きを取りかがカギになることは確かです。廃案に追い込み首相に衆議院を解散させるような危険を彼らが冒すとは考えづらいですね。後援会からの支援を失わず、かつ国民一般からも悪いイメージを持たれることなくなる方策を思案中のことと思います。