豚 組   BUTAGUMI 西麻布


住  所:東京都港区西麻布2−24−9
電  話:03−5466−6775

アクセス:地下鉄「六本木」駅より徒歩10分程度。
     (「乃木坂」及び「表参道」からも徒歩10〜12分程度)
     六本木方面からは、六本木通りを渋谷方向に向かい、
     西麻布交差点(外苑西通交差点)を過ぎてすぐ右手の
     焼き鳥「浜の家」と「OYSTER BAR」の間の道に入り、
     根津美術館方面に向かう。しばらく進み左手。

営業時間:11:30〜15:00(LO.14:00) 
     17:30〜23:00(LO.22:00)
休  み:水曜日
席  数:店舗は2階建で、1階および2階にテーブル席、個室
     風小上がり等各種あり、カウンター席は無し。

メニュー:イベリコ豚のロースかつ膳(限定品)  4800円
     本日の特別仕入れ・ロースかつ膳    2800円
     本日の特別仕入れ・フィレかつ膳    3200円
     定番「岐阜けんとん豚」ロースかつ膳  1950円
     定番「岐阜けんとん豚」フィレかつ膳  2200円
     ワイン・ビール・日本酒・焼酎等各種
     (グラスワイン400円より)

店のHP:http://www.grace.fm/butagumi/    
豚組

●訪問記録・コメント

訪 問 日:2005年4月中旬(昼)
食べた物:スペイン直輸入・イベリコ豚のロースかつ膳4800円
肉   :厚さ約2.0cm程度、脂分がたっぷり付いたロース肉
     推定重量180g程度
ころも :(色)淡い茶色、(厚み)中厚、(きめ)粗目
     (食感)サクサクっとした軽快な食感。
ソース :塩、濃厚とんかつソース
つけ合等:キャベツ細切り(別皿)、前菜(マッシュルーム)
     漬け物盛合せ、ご飯、赤だし
備  考:ご飯、キャベツ、漬物のお代わり自由 

訪 問 記:西麻布から南青山の根津美術館に抜ける静かな裏通りには、
     隠れ家的な飲食店が点在する。「豚組」も暖簾を仕舞って
     いれば、とんかつ専門店がそこにあるとは、気づく人もあ
     まりいないだろう。
     
     豚鼻のマークが朱色に染められた暖簾をくぐり店に入ると、
     先ず入り口横の冷蔵ショーケースに入った本日の素材であ
     る豚ロース肉塊が目を惹く。

     1階は、ライトダウンされた落ちついた雰囲気で、いくつ
     かに仕切られたグループ向けのテーブル席などが見える。
     2階は、小テーブ主体で、カップルや少人数客、ひとり客
     などの用途に合わせたセッティングのようだ。古木材を使
     った古民家風の天井空間、調度品に、階段の窓にはステン
     ドクラスも填め込まれている。レトロ・モダン調の店内雰
     囲気の良さは特筆ものだ。昼間の2階席は、窓から差し込
     む日差しも明るく爽やかで、ポップス系の軽いBGMも心
     地よく、癒されるような空間だ。

     メニューは、とんかつ一本に絞ったもので、肉の銘柄によ
     って、価格が違う3種が設定されている。初訪問で選択に
     迷ったが、今回は看板メニューのイベリコ豚のロースを注
     文。もし店の実力評価のようなことを真剣に考えるのであ
     れば、先ず定番の「岐阜けんとん豚」の選択であろうが、
     私は別に評価のプロでは無いので、話題性に飛びつくこと
     を優先に..(笑) なお、イベリコ豚は、スペインの広大
     な牧場で放牧され、ドングリを食べて育つ黒豚のようだ。
     生ハムの材料として使われる他に、最近はフレンチなどの
     高級素材として人気がある。赤身が霜降りになりやすい特
     徴があるようだ。

     とんかつを待つ間に、前菜としてマッシュルームの小皿と、
     漬物が、しばらくして鉢に入れられたキャベツの千切りが
     出された。キャベツは注文のたびに切るそうだが、水さら
     しを全くしていないもので、素材の味がストレートに出て
     いる。

     いよいよ、お待ちかねのイベリコ豚のロースかつの登場。
     色鮮やかな青い染め付けの大皿に銅の網が敷かれ、その上
     に載ってる。見事に衣の花が咲いており、粗いパン粉のひ
     と粒ひと粒が立っている。

     下味がかなりしっかり付いているので、何もつけなくても
     おいしくいただけるとの、アドバイスに従って、一切れい
     ただくと、サクッとした軽快な衣の食感の後に、凝縮され
     た肉の旨味がじゅわっと余韻をもって口の中に拡がる。肉
     の断面を見ると、中央付近の切身でも、1/3から半分ぐ
     らいが透明感のある脂身に見える。しかし、この部分は、
     赤身と脂身が渾然一体となった、大トロの霜降り肉と言っ
     たら良いのだろうか。ブヨブヨしたところが無く、しっか
     り締まった感じで、さらりとして、くどさ、しつこさが全
     く無い。しいて例えれば、鯨のベーコンの白身の部分とい
     った感じで、噛みしめる毎に旨味が増していく感じだ。卓
     上に出された塩を少し載せて食べると、より肉の味の輪郭
     がはっきりする。軽快な衣とソースの相性もまた良い。

     そこそこの厚切りであるが、高価格メニューにありがちな、
     巨大系ではないので、女性でも程良い食べきりサイズであ
     ろう。衣も実に軽快な感じで、油っこさが全くない。全て
     食べきっても、後味すっきりであった。
 
     さて評価であるが、これは難しい。とんかつは、素材も衣
     の加減も飛び切りに素晴らしいので、味の面では全く申し
     分無く、店の雰囲気や、店員さんの接客対応も、これ以上
     望むことが無いくらい素晴らしいものであった。しかし、
     4800円という価格は、これまで私が経験した最高価格
     の記録更新で、未知の領域である。自分にとっては、贅沢
     すぎるという面から、何か罪悪感を少し感じてしまう。も
     しこれに病みつきになったら金銭感覚が麻痺して、財政破
     綻を引き起こすのでは無いかとの、恐さもある。しかしこ
     れなら、おそらく定番の1950円のロース膳を注文して
     も、相当の満足度が得られるとの期待感をもって、10点
     満点(仮)としておきたい。近々再訪して、次回はぜひ定
     番を食べ比べてみたいと思う。

     会計を済ませ店を出ると、若い店員さん2名が、わざわざ
     店の外まで出て来ての見送りである。ホームページ用に店
     の外観写真を撮りたかったのであるが、これでは恥ずかし
     くて撮れない。しばらく道を歩いて振り返ると、まだ立っ
     ていて、私の後ろ姿を見送っていた..(笑) う〜む、し
     かたがないので、しばらく遠くまで歩いて行って、こっそ
     り引き返してきて撮影した。





     私の満足度評価:★★★★★ (仮)

ロース断面 ロース断面 イベリコ豚ロース イベリコ豚ロース ロース断面

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