◆◇◆◇◆◇◆◇◆ お 店 の 基 本 情 報 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆店 名:蘭亭ぽん多 (らんてい ぽんた) エ リ ア:東京 (湯島) 住 所:東京都文京区湯島3−37−1 電 話:03−3831−6203 アクセス:地下鉄千代田線「湯島」駅より徒歩3分程度。 (銀座線「上野広小路」より3分、JR「御徒町」より5分程度) 湯島駅の4番出口より地上に出て昌平橋通りを左手(不忍池と反対 方向)に進む。数十m先のお茶・海苔の老舗「大佐和」の前を過ぎ たら地鶏「風神雷神」角を左に入り「上野松坂屋」方向に進む。黒 門小学校校門前を過ぎたらすぐ左手に店舗がある。 Web Page:蘭亭ぽん多ホームページ 営業時間:11:30〜14:00(L.O.) 16:30〜20:30(L.O.)(日・祝日〜20:00L.O.) 休 み:月曜日 席 数:テーブル席4卓x4人、座敷10人程度、(2Fに広い座敷もあるようです) メニュー:----- お食事メニュー(各単品) ------ 特製とんかつ(特上ロース:単品) 3400円 (消費税別途) タンシチュー(要予約) 4700円 上とんかつ (単品) 2300円 海老フライ 〃 1800円 帆立フライ 〃 2400円 牡蠣フライ (冬期) 1800円 野菜サラダ 1500円 いかさし 1500円 酢の物 1200円 コールドタン 1200円 アスパラ 800円 チーズ 500円 フルーツ 時 価 御飯 300円 御新香 200円 味噌汁 300円 ビール 600円 その他飲み物各種 備 考:・消費税は1000円毎に50円を頂いているとのこと(1900円でも50円)。 ・一人客の食事の場合には消費税サービス。 ・ランチタイムの定食(ロースかつ、御飯、香、味噌汁)1500円がある ようですが、日曜日昼時訪問時にはこのメニューは見あたりませんでした。
◆◇◆◇◆◇◆ コ メ ン ト ・ 訪 問 記 録 ◆◇◆◇◆◇◆ 訪 問 日:2003年2月中旬 昼時 食べた物:特製とんかつ+御飯+味噌汁 4000円 肉 :厚さ約2.5〜3cm、独特楕円形状の分厚いロース肉。中心部は 脂身が全く無く、周辺に少量の脂の帯を巻き付けたようなもの。 ころも :(色)クリーム色 (厚み)薄い (きめ)細かい (食感)柔らかいが、少しカリッとした軽い歯ごたえもある。 つけ合せ:手切りキャベツ山盛り、トマト。 ソース :卓上にウースターソース、天日塩、別添でケチャップ。 そ の 他:食事メニューは単品であるので、ご飯、味噌汁、御新香は別途注 の必要がある。味噌汁は訪問時はシジミ汁にミツバを添えたもの。 コメント:昭和21年に戦前創業の肉店からとんかつ屋さんとして開店したそ うである。2代目ご主人の趣味が蘭栽培で、店では洋蘭の販売も行 っている。屋号もそれにちなんで「蘭亭」を加えたという歴史があ るらしい。現在は、若い3代目ご主人が店を取り仕切っているよう だ。詳しい関係はわからないが、店名や低温揚げのとんかつのスタ イルから見て、御徒町の「本家ぽん多」と同じ源流を持つ店である ことは確かだろう。 湯島白梅商店街の表通りに面した、鉄筋コンクリート造ビルの1F に店舗あるが、店頭には暖簾が下げられ、店内には蘭の鉢や、調度 品なども飾られ、下町の粋な雰囲気が醸し出されている。店に入る と、左奥の厨房から若主人らしき方が出てきて、わざわざ出迎えの 挨拶。昔ながらの白衣を着た女店員さんにテーブル席に案内され、 おしぼり、緑茶のサービス。 メニューの一番上に大きく書かれたものは「特製とんかつ」である が、それ以外に「上とんかつ」というものもある。女店員さんに違 いを確認すると、「特製」の方が「上」に比べてひとまわりサイズ が大きいとのこと。特に肉質が両者で違うことでも無いようだ。単 品で3400円の価格は小遣いの乏しい私にはちと厳しいものであるが、 まあ今回は奮発してこれを注文してみることにした。定食としての 品揃えをするためには、御飯300円、御新香200円、味噌汁300円を プラスしてしめて4200円也と言うことになる。私の知る限り東京の とんかつ屋さんの中では最高価格の定食であろう(一人前を超える ジャンボ系、百匁かつ等を除く)。 待つこと20分弱程度、登場した特製とんかつは、今まで他店では 見たことの無いような独特の滑らかな楕円形状。中央部が分厚く盛 り上がり、周辺部に向かってなだらかなに丸みを描く、まるで東京 ドームのような形だ。しかも驚くことに4切れのみの大きなピース に切り分けられているだけである。 肉の切断面を見ると淡いピンク色で肉汁があふれ出ている。口に含 むと豚肉の風味がふわぁ〜っと口に拡がり鼻腔に抜けて行く。100 度ほどの油温で揚げているようなのでこれだけジューシーに仕上が るのだろう。しかし肉の風味が非常に強い。豚のしゃぶしゃぶを食 べている時に感じるゆでられた肉の風味を数倍に高めた感じだ。私 は全く気にならないが、人によっては肉臭さが強すぎて合わない方 もいるだろう。 下処理が丹念にされていて、肉はとても軟らかいのだが、中央部分 の2ピースは巨大なサイズ、厚さ幅ともに3cmぐらいあるのだろ う。ガブリと一気に口にいれて、食いちぎるように食べるしかない。 残念ながら一カ所少しだけ硬い部分があり食いちぎるのに難渋して しまい、口から一度皿に出してしまった。ジューシーさを堪能する ためには縦に包丁が入っていない方が良いのかも知れないが、若干 食べづらい印象であった。 余談だが、このとんかつを食べながらふと頭に浮かんだのが、とん かつ誕生の歴史の1ページを飾る「ポンチ軒」のとんかつ。宮内省 大膳職で西洋料理担当の経験のある島田信二郎氏(本家ぽん多初代) が、東京上野御徒町の「ぽんち軒」(もしくは「ポンチ軒」)のコ ックをしていた当時の昭和4年頃に厚い肉(2.5cm〜3cm)の中心ま で火を通すとんかつ調理法を考案し同店で提供を始めたというのが、 現代風厚切りスタイルのとんかつの始まりと言われている。ある日 お客さんが『ビフテキは一寸もある厚いやつがあるのに、どうして カツレツは厚いのができないのかね』と言うのを聞いて、『わかり ましたやってみましょう』と言うのが始まりらしい。当時のとんか つがどんなものかわからないが、もしかしたらこの蘭亭ぽん多の特 製とんかつがそんなものであるのかも知れない。 さて、全て食べきっての印象であるが、この店のこの特製とんかつ のジューシーさは無比であり、良質な素材を使い丹念な独特調理は 驚くばかりであるが、やはり価格を考えてしまうと日常おいそれと 食べられるものでは無い感じだ。他のお客さんのオーダーを横目で 見ていると値段の安い「上とんかつ」の方が圧倒的に多いようであ った。「特製」はもしかしたら飛びっきり贅沢な名物の一品である のかもしれないですね。一般庶民である私のような財布の中身を気 にしながらでの食べ歩き人にとっては、今回の「特製」は満足度で は満点はつけられない感じでしょうね。もしこれが定食で仮に価格 が3000円以下であれば満点つけても良いものだと思いますが。 次回訪問するとしたら今回未食のいくぶん財布に優しい「上とんか つ」のほうになるでしょうね。 食べ終わって、席をあとにすると厨房から若主人が入口横に出てき て見送りの挨拶。さりげなく、また過度でない接客対応はとても心 地よいものでした。客席もゆったりしていてくつろげるので大切な お客さんなどを連れて行くには良い店かも知れないですね。 10段階評価:8 (特製に対する価格考慮の評価)