Help the aged


やっていること・思うこと

 実際日々やっていることといえば、介護といっても

  • 夜の定期巡回(22時から寝るまで。1時か2時くらいまで)&物音に聞き耳立てモード

  • 夜中「誰か〜〜」と呼ぶ声でベッドの隣のポータブルトイレにのせ、もどし、出したものを捨てる。(立てないんなら、リハビリパンツにして欲しい、と腰が痛いときは思った)

  • おむつ(というかあれは痛々しいのでリハビリパンツ)&尿取りパッドをかえる。(6・7・8月のほぼ寝たきり時期。今は回復)

  • 週末、昼間に家にいるときに、風呂に入れる&爪切り(ついでに祖父の分も。最近は何故か父親のツメまで切っている。)

  • 居間でご飯を食べる時は、後ろから抱えるように立たせて、移動させる。

  • 老人部屋でご飯を食べる時は、食事を運びクスリを渡す。

  • 昼間ぼーっと寝ているのを無理矢理起こして、おしゃべりにつきあう。

  • 墓参り・お見舞いなどのたまの外出時のサポート

 つまり、ほとんど「食べることと出すこと」についてのサポートがほとんどで、あまり外にでないので、他の作業はあまりないですね。

 祖母のいる部屋には折り畳みの軽くひくいベッドがあり、その横の障子の横にポータブルトイレが置いて有り、調子が良ければ、歩かなくても立ち上がる動作だけで、トイレが使える状態になっています。

 このトイレ、祖父の母が20年ほど前に93で亡くなる直前に買った(使ってなかった。明治の女は強い)ものを使っている、やたら年期の入ったものです。


ちょっとした工夫・気になること
  • ポータブルトイレ

     このポータブルトイレなんですが、中のバケツを夏場とかマメにあらっても、置いて置くだけで臭いがするような気がして困っていました。

     あと、トイレに捨ててバケツを洗うときも、手洗い用の水道との間をいったりきたりすると床が汚れたりして困ったのですが、まずはこの洗う水にきれいな水を使うのはもったいない、という発想から、最近よく出ている、めんつゆのペットボトルで取ってのついた1.8リットルタイプのものにお風呂の残り湯をいれて、洋式トイレの後ろの方に置いておく、という方法をとりました。

     すると、少ない水でも、広い範囲をゆすぐことができ、また、いちいち床にこぼすこともなくなったため、作業が楽になりました。

     しかし風呂の残り湯は、濁っていて、水あかがどうしてもペットボトルにたまってしまいます。

     そこで、普通の漂白剤(ハイター)を残り湯をいれた最後にすこしそそぎ入れることで、濁りが解決し、またバケツの殺菌も同時にできるようになりました。

     そして、漂白剤のにおいはかすかに残りますが、尿のくさい臭いもしなくなる、という効果も出てきました。(まるで職場のQC活動みたい。)

     ハイターの大きいものはやはり取っ手がついているので、それをつかっても良いかもしれません。

     でも、最新式のポータブルトイレって、もっと勝手が違ってるんでしょうかね??

  • 折り畳みベッド

     固定的なベッドを置くとすごく圧迫感がありそうだったので。19800円で通販で売ってる折り畳みベッドを買いました。

     畳の上に置いているのですが、掃除もらくですし、移動も簡単です。

     夏の間、あまりに祖母がかってに降りて、上に上げてくれ、と甘えてきたので、「ベッドがなければ、降りることはなく、上げる必要もなくなるではないか」という結論から、ベッドを折り畳み、布団にもどしたのですが、そうすると楽だったのは最初だけ。

     2日目になると、トイレの度に持ち上げて座らせることが段々苦痛になってきました。

     ベッドの時は意識していなかったのですが、足が全く立たない人を持ち上げるのは本当に難しいことだと分かったのです。

     そんな年でもないのに、腰にきました。

     その時、祖父も母親がものすごくポータブルトイレを使わせることを嫌がっていた理由、なるべくおむつにして欲しいと言っていた理由がはじめてわかったのでした。

     つまり、面倒だから、というのではなく、「自分の体が壊れてしまうから」だったのです。

     本当に、やってみなければ分からないことってあるのだなぁと思いました。

     自分でさえたった2日で腰が痛くなったわけで、直るのに数日かかった訳ですから、毎日やっていたらどれほど大変だったか、と考えて、「ばあちゃん、お願いだから呼ばないでくれ」ととうとう言ってしまいました。

     いままでそういうことを言っている、祖父、母を冷たいひとだと思っていましたが、腰痛を抱えて、自分もやっとその気持ちが分かったのでした。

     私が提案した、ベッド撤収ですが、数日後にはベッド復活となりました。

  • 障害者認定

     和歌山保険金事件で、歩いているひとが障害者認定されているのをみて、「年寄りはダメなの??あの人一人であるけないよ」というところから、興味をもちました。

     その数日後たまたま介護保険のリサーチに保健婦さんがきて、応対した母が聞いたところ、最近そういう質問を良く聞く、といわれたそうです。

     とりあえず、市かなんかの「ねたきり証明」の手続きはしたのですが、老化による機能の低下を障害とみなす、という感覚がなかったため、障害者云々という手続きは何もしていなかったのですが、税金が免除されたりすることがある、と聞いて祖母の場合はどうなるのか、結局、私は何もしていないのですが、お金の問題が絡むときいてがぜん興味のあるところです。

  • ディケア

     保健婦さんはディケアサービスをやっているところに行ったらいいのでは?と提案してくれました。

     一度見学にいったらしいのですが、きれいなところで麻雀をやってる人がいたりして、広いお風呂もあって、入れてくれたりするらしいので、是非行ったらいいのではないか、と家族の誰もがおもったのですが、祖母は見に行ってますます、行きたくないとの思いを深めたらしく、今ではその話をすると、その時は「はいはい」と言っているのに、段々目つきがおかしくなり、体の調子がわるい、といってご飯も食べずにひどそうに寝てしまうようになってしまいました。

     ひどくなったら軽度のディケアに行かなくてもいいだろう、と思っているのでしょう。

     知り合いなんているわけないのに、「いまさら仲良くできない」とか言うので「年寄りの知り合いなんて作る必要ない。若い人にいろいろやってもらったらいいでしょう。」といっても聞く耳もたず。

     今のところ、専業主婦の母親、土日休みの私(たまに午後出勤アリ)、土日の休みに何かと気をかけてくれる父、平日に休む妹、力はないが日中監視してくれている祖父、と多分標準以上に人手があるためにどうにかなっていますが、とりあえず、母親が倒れたらどこかにいってもらうしかないでしょう。その日を想定すると、一度でいいから施設を利用させたいと思っているのですが。

  • 寝かせきりのススメ?

     祖母が急に悪化したのが4月、そして3ヶ月ほど、スプーンも自分でもてなくなり、座れなくなり、という状態が続いたのですが、母親はなるべく、背中のところと左右に枕を並べて起こすように、へたくそでじれったくてもなるべく自分で食べるように、という方針で介護をつづけ、8月ごろから、自分で起きたり、できるようになりました。

     ちょうど6月ごろは、比較的症状は安定しているが体力がない状態で、たとえば昼にご飯を食べさせたあと、おむつをかえておけば、2時間程度の外出は可能であったため、家にだれもいなくても母親が買い物に行ける状態だったのですが、8月ごろ、体力が回復し、起きあがれるようになったのを喜んでいたら、9月ごろから、普段起きてと言っても起きないのに、誰もいないとパニックになって、家の中を徘徊するようになりました。

     一度は縁側から庭に出てしまったこともありました。家の前が車の行き交う道でなかったのが幸いでしたし、たまたま外にいた近所の人が助けてくれたから良かったようなものの、それからしばらく、母親は日常の買い物さえまともに行けないような状態になりました。

     トイレにも入ってしまうようになり、どうせ入っても歩ける訳でなく危険なので、外出するときは外から鍵をかけておかねばならなくなりました。

     もともと足が弱かったので、本格的な徘徊とまでは行きませんでしたが、もうちょっと足が治ったら、本当に実家をめざして徘徊していたに違いありません。

     結局、本当の寝たきり状態が、介護の側からいえば、こちらの都合でできるので一番楽なようです。

     意識と体力が不安定で中途半端な状態が一番手間がかかるようです。

  • 記憶

     痴呆老人に対する一般論と同様、祖母もやはりどれだけ意識がなくなりかけても、「小さいころの記憶」だけは、というかだけはというよりはよりいっそう、正確で鮮明になるようです。

     特に実家の農家から祖母の兄の子である、野菜や米をいまだにとどけてくれる甥に対する記憶は鮮明で、「今日だれかお客さんきたでしょ」というとたいてい分かっていなくて、適当にごまかそうとするのに、あのときは間髪いれずに名前で答えたため本当にびっくりさせられました。

     娘である私の母親のことは忘れることがあるのに。

     甥の方がたしかに嫁に来る前からいた訳だから、つきあいも長いわけだけど、本当に昔のことは、いままで話さなかったような事まで話にでてきて驚かされます。


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