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ゴールデンウィークから月半ばにかけて、家を空けることが多く、あまり気にしていなかったのだが、祖母がどうやら大変なことになっているようだ、と分かってきた。
夜中に「痛い痛い」というので、これは痛いのも本当だけど、さみしいんだろうなぁと思い、とりあえず、体をさするより、手を握ってみたら、ごつごつしていた。
長いこと水道も使ってないしなぁ、と思い、タオルをお湯でぬらして祖母の手を拭くとすこし落ち着いたようだった。
その前から、よく化粧水をつけて使ったコットンを捨てる前に祖母の顔をふく、という資源の再利用かつ実験を行っていたのだが、もうそんなのじゃ全然ダメでやはりお風呂に入れないといけない、とおもったのだった。
私が手伝えば祖母を風呂にいれられるのではないか、と母に提案し、週末に約1月ぶりに祖母を風呂に入れたのだった。
二人がかりで頭のほうと足の方をもって運び、風呂にいれる、頭を洗って、体をあらって、湯船につけると、入れる前まではものすごく嫌がっていたのに、気持ちがいいらしい。
しばらくつけたあと(ほんとうにつけこんだ、って感じ)、二人ががりで引き上げようと足をつかむと、ぼろぼろと白いものが出てきた。
さすがに1月ぶり、まったく外にでていないので、汚れていないので、まっしろなあかがぼろぼろと取れた。
足の指の間、足の横、さわるだけで簡単にとれる、こうなると汚いというより、もう娯楽のようで足だけ特別に自分の足でもここまでやるまい、と思うほどキレイにした。
その後しばらくぶりにツメをきる。母親は良く見えない、ということで最近やっていなかったらしい。
ツメの間にもあかがびっしりとつまっていて、どこまでがツメでどこが指なのか良く分からない。
爪楊枝で発掘しながらツメをきるとさっぱりした様子。
乾いたあと、がさがさの足の裏もだいぶ柔らかくなったようだった。
もちろん指も柔らかくなったようだ。
何度かやるうちに、あかがでなくなったのでだんだんやりがい、というかわかりやすい目標がなくなり、楽しみが減ってしまった。
入る前はものすごくいやがったりするが、入ってしまえば、ものすごく感謝されるし、気持ちいいのも確かなようなので、意思を確認しないで、入れるときは強制的に入れる、という方針にする。
でもいつも人にやってもらうまま、ぼーっとしたままなのに、あるとき間違って汲み置いた水を間違ってかけてしまったら「あーー」と人間らしいリアクションが帰ってきてほっとする。
心臓に負担をかけない程度にショックを与えるのはいいことなのかもしれない。
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