メカラウロコオープニング音楽


 メカラウロコ・7に引き続き、メカラウロコ・9でも「メカラウロコ楽団」による弦楽曲の演奏がありました。

 7の時に書こうかとも思いつつも、曲名の紹介にとどめておいたのですが、2回同じ曲をやった、ということで、曲についての説明を追加したいと思います。

 (参考文献:世界大音楽全集 器楽編第34巻 ポピュラーピアノ曲集1 音楽之友社刊)

 パッヘルベルのカノンについては、詳しくないので省略しますので、残りの2曲、「オーゼの死」と「ラルゴ」についてです。

  • オーゼの死

     ノルウェーの文豪イプセンの詩劇「ペールギュント」にグリーク(1843〜1907)が作曲した音楽の一部。

     ペールギュントはノルウェーの伝説的人物で、彼の冒険と数奇な運命をあつかったのが、この劇である。

     この中から後にグリークは数曲を編曲して第一組曲、第二組曲としてまとめた。

     オーゼの死は第一組曲に入っている。

     第一組曲

    1. 朝の気分
    2. オーゼの死
    3. アニトラの踊り
    4. 山の魔王の宮殿で
    但し、この組み合わせは劇中のストーリーとは無関係である。

    ペールは資産家の娘の婚礼から花嫁をさらうわ、その時発見した別の娘にこころを奪われるわ、とやりたい放題のあげく、家を飛び出し、山の中をさまよった後、自分の家に帰ってくると、母オーゼが死ぬまぎわの状態になっており、結局オーゼは息子に抱かれて死んでいく、というシーンの音楽。

  • ラルゴ

     ヘンデル(1685〜1759)のオペラ「セルセ(Serse)」の中の曲。

     「声楽のヘンデル」と言われているが、オラトリオ(「救世主」ハレルヤコーラスなどが特に有名)はしばしば演奏されるが、オペラはほとんど上演されることはない。

     ラルゴは本来はこのオペラの中のテノールのアリア「Ombra mai fu」であるが、その旋律が有名であるために、器楽曲に編曲され、Largo(演奏速度)で書かれているためにこの名で呼ばれている。

     このアリアはオペラの中でセルセ(ペルシャ王クセルクス)が庭に出て「朽ちることなくしげり、愛らしくもまた妃のごとく常に香しい木陰よ」と歌う部分。

     10年くらい前?紅白歌合戦が、世界的な視点だの、誰にでも楽しめるだのととっちらかった方向に行きかけたとき、日本を代表する声楽家佐藤しのぶさんが数回でた時があったと思うが、そのときにもこの「オンブラマイフ」が歌われたはず。NHKホールでマイクなし。(当然)テレビでみてもすごかったよぉ。

 しかし、曲を直接選んだのは誰かしりませんが、こういう曲そのものの成り立ちよりも、何かの映画でつかわれているとか、何かの番組で使われたとか、そういう事実の方が、演奏された意図を考える上では重要な情報になるのだと思いますし、もしかすると学校の給食の時間にかかってた、とか卒業式でかかったとか、もっと私的な理由かもしれません。
 なんかその必然性が全然推測できないんだよねぇ。まぁ単に有名な曲といえばそれまでだけど。


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