6月13日 鹿児島市民文化ホール第一


 「キャー」と「かっこいい」と「ちくしょう!やられた!」と「さみしい」が交錯する前半。

 吉井さんが「甘い経験」でステージをおりて最前列を駆け抜けるのも、EMMAやHEESEYが花道にがんがんいきまくるのも、彼らがその人気によって本当のロックスターになったための余裕の産物ではないか、と思った。

 ファンのさしのべた手に触れまくっても、もうなにも怖いものはないんだろうって。

 なんか人気とかをオリコンだのライヴの本数での動員では全然客観視できなかったのだけど、自分がライヴにいけない間にあった「高額納税者」発表でやっと、想像もつかないところに彼らがいる、ということがわかったのだ。

 若い人中心のライヴ会場の後ろの方でみていたら、「今人気のイエローモンキーってのはこんなライヴなのか。たしかになぁ」的な、まるでこの規模のバンドをとりあえず見に行ったときのような見方になってしまった。

 そして感想として「すごくいいライヴだった」ってことになるんだけど。

 そんな新しいすこし距離を置いた見方をしながらも、アンコールで少しずつ、以前から連続する気持ちを取り返していく。

 「君たちとわたしたちの大切なロックンロールです」といって始まったJAM。

 そして圧巻は、メンバー紹介に続いて「まだ首に鎖はついているんだよ」といって始まったWELCOME。

 たったその一言で納得する自分はそうとうあまい人間なのかもしれないけど、まだ何かに縛られているという彼らにも、余裕と同時に切実な想いが存在するのだなぁと感じた。

 すると、明るく照らし出された客席がステージとつながっているような、そんな気分で最後の曲を聴くことが出来た。

 たまに区切りのライヴでやる特別な曲じゃなくても、やっぱりこの曲は特別な曲のままだ。

 

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