なのに、周りはもう大騒ぎ、私より背の低い子だって飛び跳ねて喜んでいる。

　そこからの勢いは、ライヴハウスだったらすでに中断になってそうな、ものすごい盛り上がり。

　「吉井さんかっこいいー」と漏れ聞こえる声。みんなみんな本当に待っていたんだなぁーってちょっと自分はひきながらしみじみおもった。

　セックスレスデスの時、途中、ドラムのリズムがものすごくかっこいいということに気がついた。

　あれ？ウラの拍子の細かい刻みがたまらなく心地よいわ、とひたっているうちに、曲の盛り上がりに反して静かな周りの雰囲気。

　ベースもめちゃ格好よいではないか！と思いつつ、動かない頭の列ごしにステージをみる。「アレ？エマさんてば何処に？？」ステージサイド解放してたからそっちか？とか考えていると、ソロのところ、三国さんが弾きまくり、吉井さんがハミングする。

　いない、エマがいないー、と思っていると最後「エマレスデス」と繰り返す吉井さん。

　だから、あんなにドラムやベースがすごいことになっていたのかと、すべてが終わった後で気がついたのだった。

　周りのひとはみんな気がついてたみたいなのにな、いかに自分が音聞いてないか反省してしまった。

　でもね、本当にドラムはすごかった。

　（11/11 FM石川の番組に吉井＆エマ出演時のコメントによると、「体育館のため床がゆれたので、コードがぬけちゃって音がでなくなったとのこと」
　「エマさんのトラブルのおかげで吉井さんのＭＣがたくさん聞けてよかった」という感想もあったらしいとエマさんが語っていた。）

　エマファンだなんて、もう誰も信じてくれないでしょう。

　そして吉井さんのとっさのＭＣ（三国さん前回ホールで山形に来たときに骨折した話）が始まった。（「この人にも夜の生活があってねぇ」とか言われていたのが印象的。）

　本当に、いままでただみてるんじゃないのよ、ちゃんと聞いてるのよ、ってのがコンセプトだったのに、やはり周囲の人が思うとおり、聞いちゃいないともいえるなぁ。ちょっと反省しよう。