2004.03.24 朝日新聞夕刊芸能欄
再生への心境色濃く
YOSHII LOVINSONが新アルバム
「人は何度でもやり直せる」
YOSHII LOVINSONとしてソロ活動中の吉井和哉が、2枚目のアルバム「WHITE ROOM」を発表した。
休止状態だったイエローモンキーを昨年7月に解散させ、「まさに人生の折り返し地点」。
新作には、混沌を経て再生へと向かう心境が色濃く映し出されている。
前作「at the BLACK HOLE」は、ソロとして何を歌うか、それをどんな音に具現化させるか、手探りのもどかしさものぞいていた。
イエローモンキーに終止符を打って迎えた05年。「オレでよけりゃ必要としてくれ」と言う一節が強烈に耳に残るシングル曲「CALL ME」で、バンド時代を知らない若い聴き手にもインパクトを与えた。
「ソロになってから、押しつけがましいメッセージより、一人の人間としての悩みや思いを、自分自身のために歌うようになった。それを待っていてくれる人がいる喜び。そんな”化学反応”がわかってきたときに生まれた曲です」という。
「いつ神にコールされても(召されても)、悔いのないように生きるには、中途半端な自分をいったん殺さなければならない。そうすることで人は何度でもやり直せる。それがこのアルバムのテーマ」
元気出せ もう恐れること勿れ。気にするな 貫け自分流−。自分を奮い立たせるような歌詞の数々がときにポップに、ときに攻撃的に歌い込まれる。
現在38歳。
「責任ある世代ですよね。今まで聴いてきた音楽をどう消化して次の世代に伝えるかが大切。自分本位な生活をしているわけにはいかない」
住まいを東京から富士山のふもとに移した。
「自然に返りたいという気持ちがある。自分が住んでいるところを愛し、そこから発信したい。それに地方では、自己満足な音楽は東京以上に相手に伝わらない」
東京という特殊な場を離れ、むしろ普遍的なロックのグルーブが見えてきたのかもしれない。
「クリーンな環境でもロックはやれる。前作よりアメリカ的なビートに近づけた」と手応えを語る。
そして今、夢からさめたように「ライブがやりたい!」と切望する。
6月4日の新潟フェイズを皮切りに、ソロになって初めての全国ツアーが始まる。
<補足>
藤崎昭子さんという方の記名記事です。
写真の横に
「曲作りでも、これからもっと遊べそうな気がする」と語るYOHII LOVINSON
とありました。
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