レポート&卒業論文作成


◇パソコンかワープロを購入しよう◇

  1. 学校がワープロ原稿の提出を認めている場合

     良い機会なのでワープロを購入しましょう。ワープロ技術は、就職すれば必要になるものですし、社会的にも使用が標準化していますので、卒論を書く傍らワープロの技術を修得しておくことにはメリットがあります。
     ワープロはパソコンが安くなった関係で、一層購入しやすくなりました。多機能ワープロも発売されていますが、入力と印刷ができれば良いのですから、5.6万円持っていけば十分なものが購入できます。余裕のある人には、是非パソコンの購入を勧めます。プリンタも併せて購入する必要がありますので25万円位あれば十分です。使いやすくなったと言っても、多少は勉強する必要がありますが、そう難しいものではありません。パソコンではワープロの他、表計算、スケジュール管理、ゲーム、パソコン通信にインターネット、絵を描くこともできます。ワープロはソフトウェアとしてあらかじめインストールされていますので、直ぐに使えます。入力も専用機に比べると快適です。変換効率も上々で、専用機のユーザーであった自分を顧みると、まるで江戸時代の人間を見ているようです。手書きしている頃の自分は、原人あたりの進化のレベルでしょう。
     私は学生たちにワープロ購入を勧めています。レポートの提出はフロッピーで貰っています。本当は電子メールが良いのですが、パソコンには手が出ないようなので仕様がありません。

  2. 学校がワープロの使用を認めていない場合

     インターネットを利用できる大学の学生たちに比べて、なんとお気の毒なことでしょう。情報社会の渦中にあって、大変不幸な環境であると言わざるを得ません。しかし、手書きで頑張るしかありませんね。それでも、仲間と使用の要望を教授に出し続けてみることです。教授が駄目なら、更に上に署名簿でも提出して要求をつきつけましょう。また自分では必要な専用機なりパソコンを購入して頑張ってみて下さい。努力は必ず報われます。……多分。

    ◇対象作品を決めよう◇

     よくあるのが、「短いから」という理由だけで選ぶことです。「羅生門」ならいざ知らず、短い作品を取り上げるのは上策とは言えません。研究が余りされていないこともありますし、短編は作家の技法がつぎ込まれているだけにかえって分析が難しいと言うこともあります。学部生のうちは手を出さない方が無難でしょう。それよりも「興味がもてたもの」「面白かった」ものの方がよいと思います。なぜ「興味」や「面白味」を抱いたかということを端緒に、作品世界に入っていくことが出来るからです。しかしただ「面白い」ということだけを述べ立てるようなレポートや論文は、やはり独り善がりで他のものには面白くありません。そこで他者にも、作品の魅力や意義を理解して貰うために、説得力を持った内容のレポートや論文が書かれなければならないということになるわけです。

    ◇文章の書き方◇

    @メモる
    作品を通読しながら、そのつど思いついた事柄をメモ帳やカードに箇条書きする。ワープロを持っている人はワープロにメモを取る形で箇条書きする。適宜必要な本文も書き写しておくとあとの入力が楽だ。

    Aメモの展開
    箇条書きしたメモを元にアイデアを膨らませていく、ノートに文章化。ルーズリーフを使うと、項目をつけてタグシールを貼れるしページの入れ替えが可能。ワープロの場合は、箇条書きした項目に文章を書き足していくと良い。ある程度の長さになったら項目毎にフロッピーに情報を落としておく。必要なときにフロッピーから呼び出して使う。パソコンのエディタ(文飾機能のないワープロ)だとファイルを作らなくても、テキスト上で必要な項目に直ぐにジャンプできる(タグジャンプ機能という)ので大変便利。ワープロではちょっと無理かも。

    Bテーマの絞り込み
    作成したノートを見ながら、書き込みの多い部分を自分の興味や関心、問題点の中心と見当をつける。関連のある項目も必要に応じて、二次候補としておく。ワープロも同様。テーマが絞りこめない場合は、@に戻るか、他の研究者の論文をもう一度読み込む。

    C立論
    必要枚数から、序論本論結論に何枚必要か考え、それぞれに書き込みべき内容を簡単にメモする。特に本論はBで作成したノートやファイルを活用することになる。展開しなければならない場合は、@から検討を繰り返さなければなければならないし、縮小する場合は論旨に影響のない範囲で削除していかなければならない。

    D資料集め
    立論のためにも、研究論文以外に資料集めをしたい。当時の新聞・雑誌類はまさに宝物だ。4回生は、書庫の中に入れる場合が多いはずなので、書庫に入らないのは勿体ない。是非紙魚と一緒に資料あさりをして貰いたい。意外なところに以外なものが君たちを待っている。パソコンで検索をしたり、カードを見ているよりも、こちらの方が資料を発掘する上では良いと思う。因みに私は「風俗画報」を書庫内の書架で知った。自分が発見した資料は、何時までも忘れないものだ。

    E下書き
    ワープロの場合は、ファイルを元にして、それに序論と結論の枝葉をつけていけばよい。書式設定の段階で字数設定ができるので自分が何枚くらい書いているのか、おおよその見当をつけることが出来る。誤字のチェックもしておきたい。ペン書きの場合は、大変だが「下書き」を作らねばならない。私の友人には卒論提出間際に腱鞘炎になった者もいたので筆圧に注意。下書き段階ではサインペンあたりで良いだろう。

    F論文指導
    大体の感じがつかめたところで、一度指導教授の指導受けることになると思う。その時には、簡単に自分の言いたい要旨を話すと良い。文章を読んでもなかなか理解できない「名文」を書く学生は多く、親切な指導教授は文章の添削だけで時間と労力を使い切ってしまい、肝心の内容についてアドバイスできなかったと言うこともよくある(というより文章を読んでげっそりしてしまったという方が正確か)。とにかく指導を受ける時間は、多くはないので大切にしたい。
     しっかりメモを取ること。不審な点は、怖いかも知れないが突っ込んで確認しておくこと。遠慮は禁物。かえってしゃべって貰うことで、ヒントを得ることは案外多い(基本的に教師におしゃべりは多い)。

    G指導後
    指導教授の意見を貰えた場合は、それを参考にして論文に補正を加えていく。この点ワープロ派は断然有利。ただし論旨に狂いが出ないように要注意。

    H清書
    ペン書きの場合は、万年筆で丁寧に書き上げると1日はかかるだろう。ワープロ派は、印刷自体は専用機の機能にも依るが50枚なら、2〜3時間で十分だろう。パソコンからプリンターへの出力の場合は、書き込みに時間はかかるが、印刷自体は早くて、20分もあれば出来る。ただし誤字には、くれぐれも注意したい。印刷前に誰かに頼んで、画面上で内容ではなく文字のチェックをしてもらうと良い。

    I研究論文について
    研究論文は、@〜Cのあたりの作業中に、集めて読み込むようにしたい。必要なところに付箋を貼っておいたりして、あとでチェックできるようにしておきたい。ワープロ派は入力しておくと良い(ついでに著者名、論文名、雑誌紀要名、刊記も)。同じテーマの友人がいたら、情報を交換すると良いだろうし、大学院生にも知り合いがいたら、論文を紹介して貰うと良い。

    余談
     思い起こすと、提出前の図書館では悲壮な場面が至る所で展開されていた。修正液を借りに血相をかえて走ってくる者。形相を変えてまだ論文を書いている者。傑作は提出をしに事務室前まで行き、論文のあるページがないことに気が付いて慌てて駆け戻って、図書館の座席の周りを探し回っている者。因みに僕の先輩は、バイクが渋滞に巻き込まれて、論文の提出締め切り時間に間に合わず、僕と一緒に卒業する憂き目にあわれた。卒論提出の日、それは「伝説」の生まれる日でもある。修論提出は、もっと酷かった。合掌。