APRIL
宇部短期大学に来て、早一年が経過した。宇部では不自由を感じることが多く、好きだった映画を全く見なくなったのは、その影響の一つだろう(宇部市に映画館がないわけではない)。最大のフラストレーションは本が即座に手に入らないことだ。書店に注文しても三週間以上かかることはざらであり(PC通信からの宅配サービスもあるが)、その間にその本に対する好奇心がすっかり失せてしまっていることも多い。京都ではジュンク堂・駸々堂・アバンティの書店とそれに古本屋と、本屋巡りをしていたことを考えると別世界に来たような感じがしたものだ。
退屈しきった僕が宇部に来てはじめたことと言えば、パソコンだ。1年前までは、ワープロ専用機の信奉者でパソコンなどとは一生無縁の人間だと思っていた。いわんやインターネットをやである。ところがである。下関駅近くのシーモール内のダイエーで、IBMのAPTIVA VISIONが13万円ほどで売られていて、明らかにモデルチェンジ前の機種だから値崩れしたのだなと思った瞬間に、「欲しくなってしまった」のである。隣接したベスト電器のコンピュータウンには APTIVA VISIONの最新型が20万円を切った値段で売っていた。最初に買ったワープロが22万円したのを即金で17万円で買ったことを思い出しながら、カードで購入してしまった。
最初は分からないことが多く、目ばかり疲れるのでやめようと思ったが、初心者向けの雑誌「ぱそパソ」でパソコン通信を使ったオンラインソフトのダウンロードを覚えてからはまってしまった。と同時にパソコンの使い方にも自然に馴れてしまい、Windows95の騒ぎが起こる頃には、いっぱしのユーザー気取りになっていた。メモリの何たるか分からなかったのが、自分で増設したり、外付ハードディスクも増設した。
そして今回とうとうインターネットにホームページまで出すことになったわけである。が、そうは問屋がおろさなかった。最初はジャストネットに入ろうと思っていたのだが、どうしてもオンラインサインアップが出来なかった。「接続できません」というエラーメッセージが出るばかりで、インターネットどころではなかった。しかたなくNECが運営しているMESHに入ることにした。こちらはオンラインサインアップもできて、すぐにインターネットを使えるはずだったのだが、接続してもどういうわけかインターネットエクスプローラーが「ファイルが読み込めない」というエラーメッセージを出すばかりで、1週間近く悩んだ。エクスプローラーの設定をチェックし、接続のチェックもしたが問題はなかった。ブラウザを換えてみようと言うことで、ネットスケープナビゲーターをインストールして起動したところ、あっさりとWWWを見ることが出来るようになった。この間1週間を要した。原因は分からないが、多分ソフトの問題だろうと思う。
インターネットは難しい。設定通りにやっていても、何が原因でトラブルが生じるか分からない。馴れないことは何でも難しいのだが、特に素人であるこの分野の問題解決をする上で、時間の融通が利くこの仕事に就いていて良かったということになるのだろう(複雑な思い)。
しかし、それでも京都や奈良から電話を貰うと、懐かしくてたまらない。