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漱石のペンネーム

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 『蒙求』(3巻 唐の李澣の著)という漢籍の中に「枕流漱石」(ちんりゅうそうせき)の文字があり,「頑固者」を意味します.あるいは「漱石枕流」とも.石に口をすすぎ,流れに枕すと読みます.
 内容は,晋の時代,孫楚(そんそ)という人物が,「石に枕し、流れに漱(くちすす)ぐ」というべきところを、「石に漱ぎ流れに枕す」と言いまちがえたのですが、「漱石とは歯をみがくことで、枕流とは耳を洗うことだ」とこじつけて,誤りを認めようとしなかったというものです.
 ここから負け惜しみの強いこと.あるいは,間違えを認めないような頑固者の意味が生まれました.
 漱石は,自分の性格(頑固?)を意識して,このような号を使ったのでしょうか.
 ちなみに,漱石の大学時代の友人であった正岡子規(東京帝国大学中退)も,漱石という号を一時期使っていました.


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