当世政局論1〜イケテルかっきー
政局評論家こたろ 1998年2月16日

 都知事選がますます混迷を深めて来た。タマがでそろいつつあるなかで、与党自民党のタマが決まらない。

 有権者800万、投票率50%として、総投票数400万。当選ラインが150万票とすると(青島で180万)、 基礎票80万票、自民党一党では当選はおぼつかない。

 50万の基礎票をもち、都議会では第2党、与党過半数割れの参院で法案を通すには…、 となると選挙に勝つためにも、国政運営上も、二重の意味で公明党には秋波を送らざるをえない。

 同じ新進党くずれとはいっても、鳩山は創価学会と仲いいが、柿沢は仲悪い。

 敗戦覚悟なら、都連推薦の柿沢でも…、と思ってたら、青島降りて、俄然勝ち目がでてきた。

 スワ。

 「ちっ。なんだ。『青島はもう死んだのか。』こんなことなら柿沢をもてはやしてその気にさせるんじゃなかった。 だれだ。ヤツを煽ったヤツは。
 そもそも柿沢は外様だ。出戻りだ。しかも、たった3ヶ月とはいえ、政界再編をウマく泳いで、外務大臣になりやがった。
 コホン。そんなことはともかく、勝つためには柿沢ではダメだ。創価学会にウケのいい、アンド浮動票をとりこめそうなヤツは…。
 明石だ。国連事務次長。国際派。カンボジアPKOではがんばった。広島平和研究所長。ハト派(だろう)。 創価学会とも仲いいし、しかも柿沢とも付き合いある。秋田出身で、秋田県知事戦出馬辞退しているが、そこまで贅沢いえない。 情・理・利をつくせば、柿沢もわかってくれるだろう。」

 …と考えたかどうか知らないが、そうは問屋がおろさず、結局柿沢は出ることになった。

 柿沢の動機はなんだろう?オトコの意地?明石は腰くだけ、強気でおせば自分が統一候補になれるとふんだ? なりゆき?やぶれかぶれ?ゴネ得の猟官運動?それとも、高等戦術で…?

 森幹事長、山崎、島村都連会長は柿沢説得におおわらわだ。 候補者一本化しないと勝てないし、そもそも明石が出てくれない。

 ところで、柿沢の勝算は如何ほどなのだろうか?捨て身の勝負なのか? いや、そもそも「自民党として、選挙に勝つためには、公明党に顔を立てるためには、ここでどうすべきなのか?」

 俺なら、明石も出して、柿沢も出す。明石がおりるなら、別の人(相乗り可)。 別に誰も出なくてもいい。柿沢出るだろうし。

 そもそも都知事選は「まともに戦える戦場でない」。

 都知事選は「風」をおこす「ドラマ」をつくらないといけない。
8年前は「おじいちゃんをいじめるな!」
4年前は「思いあがりの都政のちゃぶ台をひっくり返せ!>いじわるばあさん」
 泣きパンダ顔カッキーは、絵になる「いじめられキャラ」ではないか?
 「オトコだカッキー」と思いきや、妻にケツをはたかれただけ。 さんざんこけにされてもめげずに自民党にすがろうとする。 でも目をうるませながら、一生懸命に「今こそ、都にはプロの知事を!」と訴える。
 こやつを「オトコにしちゃるっ!」「可哀想…→判官びいき」 「プロの知事、とはなかなかいいこと言うじゃないか…」と思わないか?
 一点惜しいところは「いじめ役」が野中とかこわもてじゃないところ。

 明石が出ただけで公明党は自主投票になるから、乱戦で鳩山の目はなくなる。 明石が当選すれば勿論万万歳。いやいや、明石が出るなら、柿沢の当選可能性はグンとあがると読む。 はからずも「ドラマ」になってるし。

 柿沢、いずれにせよ「自民党」なんだから。どっちに転んでもいい。 「自民党」は「与党であることが唯一の紐帯」、なんでもありの政党なのだ。

 明石がでなくても、他の候補者擁立できて勝てれば当然OK。 擁立できないとしたら、確かにそれは失態だが、失態なんて今にはじまったことではない。 政治家の恥は掻き捨て。
公明党は鳩山にまわるが、ヤツはもともと保守系だ。 よしんば柿沢。十分話題つくったし、十分勝ち目あるじゃん!?

 どっちに転んでもOKさ、自民党。

 ともかく、カッキーかなりイケテル、いやいやイケルと思うのだが…。

 どうだろう?

[解説・補論=堀内一三]

 柿沢氏は大蔵官僚から著書『霞ヶ関三丁目の大蔵官僚はメガネをかけたドブネズミといわれる 挫折感に悩む凄いエリートたちから』でデビュー。新自由クラブから参院へ、転じて代議士。 西岡離党後の混乱を契機に自民へ。平成6年、渡辺美智雄離党騒ぎに乗じて自民離党、 旧「自由党」を結成し羽田内閣外相に就任。野党転落後、新進党結党の直前に翻意し大内啓吾らと「自由連合」結成。 平成7年自民党に復帰。
 この経歴で自民党に真面目に支援しろ、という方が無理。 かつ小選挙区で幹部の黒柳を破っているので公明の支援も得られない。

 今回は青島再選が前提で負けるための人身御供だった柿沢が、 勝つための明石に差し替えられ一端は出馬断念に傾いたものの、 候補者乱立かつ明石氏が煮え切らないので好機到来と見て人生最後の懸けに打ってでたというところだろう。
 ただ青島当選の4年前は勿論のこと、8年前の鈴木−磯村の「前屈対銭湯で三助」も79年の鈴木保守都政回復も、 75年の美濃部3選(シンタロー惜敗)も公明の動向が鍵を握っていると言われた割には、 必ずしも公明が付いた候補が勝利していない(選挙後は必ず与党になるが)。
 従って、今回も万一、公明都連だけでも明石氏に付いたとしても勝勢は見えない。 寧ろ、東京2区での選挙協力を通じて良い関係にある鳩山が勝った場合の保険として、 公明は「自主投票」に落ち着くだろう。
 こうなると、鳩山、明石、柿沢、シンタロー、外添、就中赤い人(三上某)にも芽が出てくる。 この危機感が高まり、結局公明が密かに鳩山に組織票を回して当選を勝ち取るのでは。 何れにしろ、野中氏が当初宣った様に、当選すれば自公を与党にせざるを得ないのだから、 保守の政治家なら誰でも問題はない。但し、明石氏が政治家かは異論のあるところだが。

 さて問題はカッキーが出ると、自由党(公明系)の東氏が補選に出馬し、 東氏が抜ける旧公明党の名簿から野村サッチーが当選することである。 サッチーには辞退の動きがあるが旧新進党が消滅しているため辞退の手続きも出来ない。 また鳩山が抜けると、やはり深谷が出馬し名簿から大内啓吾が繰り上がる。 深谷の鞍替えは総務会長ポストを巡る自民内紛につながる面白い話しではあるが、 少なくとも小選挙区比例代表連立制、衆院議員を辞めて衆院議員になることだけは禁止してほしい。

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