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「西方の小都市ファルバーレン在住の女学生」
名前はリジェル・コマック、17歳。高級陶器の産地として知られたファルバーレンで帝立学校に通う学生です。
この服は学校の制服ですが、彼女自身のアレンジ(特に脚周り)が大分入っています。帝立学校の制服には、学園服、礼拝服、文官制服(帝立学校生徒は帝国の仕官と見なされているため)の3種があり、これはファルバーレン校の学園服です。
ファルバーレン付近は良質の土が採れるため昔から焼き物が盛んで、藍色の光沢が特徴のファルバセラミクスは宮廷でも珍重されています。陶器交易による富で都市は潤っており、そのためファルバーレンは帝国内でも就学率が高い方です。
彼女の父親も陶器職人ですが、彼女自身は将来「星辰技師」(占い師と気象予報官の中間みたいなもの)になりたいと考えています。まもなく学業も終了なので、卒業後星辰技師の資格試験を受けるため、帝国首都への旅を計画しています。
<星辰技師について>
カデル山脈の南、帝国の大部分では5〜6年に一度の割合で冷夏が巡ってきます。本来なら冷夏の年は作物収穫量が激減するのですが、現在では帝国が発布する気象予測を基に、作付けする品種を変えるなどして収穫高の安定化が計られています。
この地方の気象にはあるサイクルが存在していることは大分古くから知られていました。最初は神事・儀式などでその年の気象を占っていましたが、次第に学術的な分析に基づいた予報がなされるようになりました。これらを専門職として発達したのが星辰技師の始まりとされています。
今では星辰技師の役割は単に気象予報に留まらず、広く産業界全般のアドバイザーの役割を果たしています。また、官職のいくつかのポストでは星辰技師資格所持が任官の条件になっています。
<帝国について>
東方に広がる国ライティアに比べると、帝国の文化水準は長く遅れていました。ライティアが魔女達の統べる国(後述)であるのに対し、帝国の領土は「祝福されざる野蛮な土地」と見なされていたからです。しかしここ数十年て、帝国では化学・工学といった分野で目覚ましい発展が見られました。帝国の国力が増すにつれ、今まで不変と思われていたライティアと帝国の力関係に微妙な変化が起こっています。帝国のこれ以上の国力増加を危惧するライティアが、先手を取って帝国に攻め込むのではと言った噂も囁かれています。しかしながら、帝国の西方に位置するファルバーレンでは今の所これらの話には無縁と言って良いでしょう。
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