50th通訳日記      9期 和田 あゆみ

9月13日(土)

朝6:30武道館集合。始発でも到底間に合わないので平井足柄道院長と共に父の車でGO! 到着したとたんInformationと同じ、ピンクのT-Shirtに着替え、受付。通訳のみならず当然の事のようにInformation業務も行うが、右も左もわけわからずアワアワ。我らが保護者、通訳staff担当の落田さん(本部職員)に聞きまくって何とか受付業務遂行。8期佐々木久美発見。大会始まる。はぁ、出場したいなぁ。3年のブランクが悔しい。久美ちゃんと100周年記念大会は出場しようと約束。(笑・74歳だよ!?)

お昼時間詰めていたInformationで桐蔭生にあう。三枝先生、水野先生、三好先輩がいらっしゃっていると聞きすっ飛んでいく。水野先生が演武したとか。見たかったなぁ。高校時代の女子部剣道場でのあの練習風景が瞼に浮かんだ。

夜7時過ぎ、通訳仲間&久美ちゃんと飯田橋のホテルエドモントから近所にある居酒屋「天狗」へ。ほんの数時間前に知り合った人たちばかりなのに、10年来の友のような仲の良さ&盛り上がり様。拳士であって良かったと思う一瞬。ホテルエドモント泊

9月14日(日)

記念祭。たいして仕事はない。多少のトラブル対応のみ。アリーナの通訳席=特等席ですべてを観覧。法衣を着た支部長たちによる基本、崇山少林寺からの少年武僧、武僧たちの演武…トリハダが立った。

この日の夜も居酒屋へ(久美ちゃんも)。結石で3日前倒れてアルコール・ドクターストップの自分にはちょっとカナシイが、素面でも充分仲間の雰囲気に酔っていた。最高の東京2日間。

9月15日(月)

1日かけて東京から京都へバスで移動。バス1号車を一人で任されて団訓の引率者の気分。運転手さんや海外拳士にからかわれつつ8時間。途中通訳仲間の一人が持参した50th記念中国崇山少林寺訪問団のビデオを観賞。武僧たちの演武にまたもや見惚れる。私のバスのドイツ人、シンガポール人、カナダ人etc.たち大感激。隣のバスのイタリア人たちは8時間ずっと身振り大で喋りっぱなしだったそうな。凄いパワー・・・。その夜彼らが居酒屋にも出没したことは間違いない。すべてのホテルで拳士たちを下ろし、自分一人某ホテルへ。業者の人手がなくてチェックイン通訳に駆り出されたのだ。その後他の通訳スタッフ質と合流し、ミーティング、夕飯終えて、気がつくと11時。近辺の情報を把握する為落田さんの車で京都市内を回る。京都駅の変わったこと。まるで桐蔭(ガラス張り)。一通り、拳士宿泊ホテルや武道館等を回った後、ジモティの推薦で将軍塚と言う夜景の凄いところへ行く。1日の疲れを忘れる眺めだった。結局就寝2時。明日は昇格考査だ。ホテルニュー京都泊

9月16日(火)

午前中はFree。とは言っても結局はわずか2時間。よーじやの油取り紙(化粧道具)だけ買えた! これで会社の女の人のお土産はOK。午後は昇格考査。実技では級拳士の通訳…皆緊張している。でも凄い気合の入れ様。4年に1度だもんね。そして学科の翻訳。さすがに独語は難しすぎて明日から参加のプロに振る。ごめんよぉ!!…その代わり、英語圏6人ほどの答案を翻訳。これがまたエグイ。英語で書かれたB4裏表の答案を我々が黙読しつつ口頭で先生に翻訳して行くのだ。手書きなので読みづらい上に専門用語などで超ハード。こんなに大変なのは初めてだ。しかし、その書いてあることには勉強させられた。宗教の違い、文化の違いを超えて少林寺拳法の教えが伝わり、実行されている。日本にいるのに勉強不足の自分が恥ずかしくなった。

9月17日()

講習会初日。さて基本に参加しようと思った矢先、医務室に2人海外拳士がいる。一人は昨日の昇格考査で足首の捻挫。これはたいしたことない。もう一人も同じく昨日の後遺症で、右足から大腿部、腰にかけて痛いと言う。先生方の整法の後、結局病院送り。骨が折れているかもしれないとのことだった。横になれる広い場所がなく、VIP控え室で会長先生のおられる横で介抱。思いがけないところで会長先生とお話してしまった。結局彼は昔の大腿骨骨折が投げられたショックで悪化したらしい。激痛に顔面蒼白なくせに練習に行くと言って聞かない。仕方なく毎朝鎮痛剤を注射して練習することに。イギリスで警察官をしている彼、遠路はるばる来たこのチャンスを無にしたくなかったのだろう。奥さんに怒られてしまうとぼやいていた。

午後は級拳士の通訳。そして昨日の学科の続きと支部設立者の面接。面接ではスイス人の独語通訳の控え要員。難しい!!自分の語学力の低下を思い知った。終了9時。夕飯は天下一品と言うどろどろスープのラーメン屋さんへ。むちゃくちゃ美味しい!! 記念にチキンラーメンフレームでプリクラした。

9月18日()

講習会2日目、例のイギリス人を病院に連れて行き、痛み止めを打ってから級拳士の通訳へ。初参加で語学力の自信を喪失した通訳仲間を立ち直らせたり、大忙しだ。彼は単に声が小さくて海外拳士たちが??だっただけなのに落ち込んでたのだ。私を見習いなさい。声だけは大きいわよ。海外拳士たちの疑問を先生に伝え、先生の説明を彼らに伝え、まさしく橋渡しの、(どれだけ解ってもらえたのだろう…?) 非常に遣り甲斐のある役目だ。しかし、一番勉強できたのは我々通訳ではないだろうか。しっかり自分の疑問も先生に伺ってしまった。役得だ。

昼。右肩に激痛。疲れが出てきたようだ。先生に診ていただくと、靭帯がかなり伸びているらしい。げげ。ほぐしていただくと楽になる。肩凝りがプラスされて痛かったらしい。病院で手術!? がベストらしい・・・。帰ったら、筋トレだぁ! (千代の富士か!?) OZAKIの売店で売子の後、再び午後の講習会へ・・・。夜は懇談会だ。ホテルで豪華結婚式並みのパーティ。舞子さんや芸子さんが舞い、写真を取りあい、話しあい、おおいに楽しんだ。ただ残念なことに、通訳で引っ張りまわされ、全くお食事をいただけなかった。しくしく。むちゃくちゃ美味しかったらしい。同じ状況で腹を空かせた通訳仲間とファミレスで夜食。その後携帯で呼び出され、東大の眞田先生一門とお好み焼き屋へ。4年前の講習会でお世話になり、今回もお世話になってしまった。いろいろな人とお近付きになれる、素晴らしい機会だ。

9月19日()

最終日。英国人の彼のお世話も今日が最後。帰山したら、病院はあるかと不安そう。でも、だいぶ回復したみたいで、ちゃんと歩けてる。良かった。帰って級拳士の実技。何と梶原先生!!私が専属だったはずなのに、何時の間にか3段の通訳が3人も付き(本当は先生1人につき通訳1人)、先生を囲んでちょっとした個人レッスンに。相手の体を崩してかける技の掛け方でなく、急所を攻める技の掛け方。力を使わない。掛けられていて不思議な気分だ。剛柔共に親指が重要なこと、脱力した鈎手、等々、今まで知らなかったことばかりで感動の中、あっという間に時間が過ぎた。午後の実技も級拳士。そして閉会式。支部設立者、終了証書授与、そしてDeep Within Each Manの合唱。終わり次第帰らなければならないので、先生方・本部の方々・海外拳士・通訳仲間にご挨拶。写真を撮ったり、抱きあったり、まだまだ残りたい気分。社会人という束縛が悔しい。新幹線はもう一人の通訳仲間と一緒に。座席がなく、2人で通路で3時間あまりを食べたり、話したり、習った技を(小さく?)やったりして過ごす。これがまた、面白い。通りすがりのおじさんの?の視線…。深夜帰宅、と言ってもこれまでの時間に比べたら何てことない、12:00。無事帰宅報告を落田さんにし、私の50th通訳業務は終わった。

その後は、4年前とは違ってinternetに加入している拳士も多く日々通信中です。10月中にも関東在住の通訳仲間と会う予定。海外拳士や、internetにいない拳士たちとも、手紙のやり取りしています。同じ志の仲間がいるっていいな、そう感じる今日この頃。4年後はフランスかインドネシアだとか。今度は我々が海外拳士になる?みたいですね。その時は是非拳士として大会にも、また通訳としても参加したいものです。その時までに、今回悔しい思いをした技と語学力に磨きをかける!と新たな目標を立てました。桐蔭9期OG和田あゆみ、24歳の夏、貴重な体験をしました。ありがとうございました。

以上

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