テディ・エドワードがささやかなデビューをしたのは、35年も前のこと。
写真家のパトリック・マシューズさんと妻のモリーさんは、娘のサラが可愛がっていたテディベアと
その仲間のぬいぐるみたちを登場人物にして短い物語を考えたのでした。
そのベアが、エドワードだったのです。
彼らは19冊の本を出し、リチャード・ベイカーによって語られるBBCの
「ウオッチ・ウィズ・マザー」シリーズ用に12本のTVフィルムを作りました。
更に、2年間に渡って週刊誌「シーソー」用いテディ・エドワードの写真物語を掲載しました。
エドワードは、いつも自然体で、率直にポーズをとりました。
それは、子供たちが愛らしく感じる魅力に満ちていたようです。
彼は、イギリスで最も知られるテディベアの1人となり、やがて世界各地を回る撮影の旅に出掛けることになります。
サハラでは、丸木船に乗ってナイジェル川を500マイル渡って下りました。
その間、信じがたいほどキラキラ光る星の下で、毎夜寝たのでした。
サラと一緒に、エベレストにも行きました。13,000フィートの所にあるホテルで見た、
炎のようなエベレストの山頂はとても印象的でした。
グランド・キャニオンでは、ロバの背に揺られきつい旅もこなしました。
こうして、テディ・エドワードは地球上の様々な場所に足跡を残し、
旅行家としての知名度を築いてきたのです。
1996年、そんな彼に悲しい別離が訪れます。長年の友、パトリック・マシューズさんが天に召されたのでした。
妻のモリーさんは、エドワードを、彼の活動を継続的に支えることのできる後継者に託すことにしました。
そして、テディ・エドワードは、那須テディベア・ミュージアムを拠点として新しい半生を歩み始めることになったのです。