那須御用邸用地の北側地区等を国民の利用に供することについて(6月19日)
平成19年6月19日
宮 内 庁 ・ 環 境 省
宮内庁及び環境省は,豊かで多様な動植物が見られ,大部分が国立公園に指定されている那須御用邸用地(約1,200ヘクタール)の一部を国民が自然と直接ふれあえる場とするために必要な方策について協議を進めてきた結果,平成19年度中を目途に同用地のうち約570ヘクタールを宮内庁から環境省に所管換し,今後同省において具体的な施策の推進を図ることとした。
所管換することに至った経緯は,次のとおりである。
天皇陛下には,那須御用邸用地の動植物について正確な記録を残し,その後の経年変化などを把握することが望ましいと願われ,そのお気持ちから,栃木県立博物館が平成9年度から平成13年度までの5か年にわたって同地内の動植物について調査を行った。同館は,平成14年にその結果を取りまとめた報告書「那須御用邸の動植物相」を発刊した。この調査により,那須御用邸用地は,希少種を始めとして多くの動植物が生息・生育しており,豊かで多様な自然環境が残され,自然が良く保護管理されている地域であることが確認されている。
その豊かな自然を維持しつつ,同用地の一部を国民が自然に直接ふれあえる場として活用してはどうかとの天皇陛下のお考えを踏まえ,また,天皇陛下が御在位20年をお迎えになるという節目の機会であることにもかんがみ,その具体化について,宮内庁において関係機関とも協議して検討を進めてきた。その結果,国立公園を所管する環境省が宮内庁や栃木県等の協力を得つつ,自然観察や自然体験活動などの有効利用計画を策定し,実施することが適当であると判断し,同省に所管換することとした。
環境省では,今回所管換を受ける区域について,平成19年度から数年かけて具体的な構想の策定及び施設の整備等を行うこととし,今後,宮内庁,栃木県,同県立博物館,那須町等と連携して,自然とふれあえる場として多くの国民の利用に供されるように国立公園整備を図るとともに,これまでの栃木県立博物館の調査成果も踏まえて同用地の動植物やその生息・生育環境の長期的なモニタリングを実施する予定である。
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