後工程引き取り Pull System(of Production)
ジャストインタイムに生産をするための3つの基本原則の1つであり、後工程が必要な時に、必要なものを必要なだけ前工程から引き取り 前工程は引き取られた分だけ生産する仕組みをいう。
後補充(生産) Fill-Up System(of Production)
前工程が最小限のその工程の完成品在庫(店)をもち、後工程に引き取られた分だけ種類毎に造って補充する方法をいう。
アンドン Andon
関係者へのアクションを促すための情報の窓で、現時点の異常場所を一目ではんだんできるようにした電光表示盤である。異常表示のほかに作業の指示(品質チェック、刃具交換、部品運搬など)、進度表示をするものもある。
1個流し(生産) One-Piece-At-a-Time Production
工程順に1個又は1台ずつ加工、組付けをし1個ずつ次工程に流すやり方をいう。
内段取り On-Line Set-Up
段取り替え作業のうち、ラインや機械設備の運転を止めなければできない型・刃具、そして治具類の交換などの作業をいう。
AB制御 Two-Point Control
工程あるいは工程内の標準手持ち量が常に一定に保持されるように、各搬送機の動いてもよい条件及び工程から製品を搬送できる条件を、2ヵ所(A点・B点)の製品の有無により制御する仕組みをいう。
改善 Kaizen
人(労力)、物(材料使用量及び材料・製品の在庫)、設備あるいは生産の仕組み等に関するムダ(いたるところに存在している)を見つけ、知恵を出しできる限り費用をかけずに、迅速にムダを一つずつ排除していく一連の活動をいう。
人手作業における改善では、設備改善よりも作業改善を優先して行わなくてはいけない。
なお、改善は特定の人の業務ではなく、全従業員がそれぞれの立場で行うことができるものであり、行うべきものである。
可動率 Operational Availability
設備を運転したい時(かんばんが来た時)に、正常に動いてくれる状態の確率である。
設備とその保全によってもたらされる信頼性に相当する。これは常に100%が理想である。
稼動率 Rate of Operation
後工程に必要な(売れに結びついた)生産量を加工するのに、その設備能力でフル操業した時の、定時能力に対する需要の割合をいう。
売れ行きによって、稼動率は決まるものである。
かんばん Kanban
ジャストインタイム生産を実現するための管理の道具である。かんばんの役割は次のとおりである。
1. 生産、運搬の指示情報
2. 目で見る管理の道具
(i)造り過ぎの抑制
(ii)工程の遅れ進みの検知
3. 工程・作業改善の道具
かんばんの機能別分類は次のとおりである。
かんばん | 仕掛けかんばん | 工程内かんばん |
信号かんばん |
引き取りかんばん | 工程間引き取りかんばん(運搬かんばん) |
外注部品納入かんばん(外注かんばん) |
仕掛けかんばん Production Instruction Kanban
生産工程での生産着手(仕掛け)指示に使うかんんばんであり、工程内かんばんと信号かんばんとがある。
工程内かんばん Intra-Process Kanban
工程内の仕掛け指示に用いるかんばんである。
後工程に引き取られた量だけを、引き取った順に後補充生産するよう仕掛けるために使うかんばんである。
信号かんばん Signal Kanban
1つのラインで多種類の品物を加工しており、段取り替えに若干の時間を要するロット生産工程での仕掛けに用いるかんばんである。三角形をしているので 通称三角かんばんと呼ばれる。
プレス、ダイキャスト、樹脂成形工程などでおもに用いられる。
引き取りかんばん Parts Withdrawal Kanban
後工程が、前工程へ部品を引き取りにいくタイミングと引き取り量を指示するかんばんであり、工程間引き取りかんばん、外注部品納入かんばんがある。
工程間引き取りかんばん(運搬かんばん) Inter-Process(Parts Withdrawal)Kanban
社内で、後工程が前工程から必要なものを、引き取るために用いるかんばんである。
外注部品納入かんばん(外注かんばん) Supplier Kanban
仕入先から納入される部品に用いられるかんばんである。納入は仕入先が行うが、工程ではずれた分だけの外注かんばんで納入されるため、基本的には、工程間引き取りかんばんと同じ後工程引き取りができる。
臨時かんばん Temporary Kanban
型保全、機械設備の修理、そして稼働日のちがいなどにより、通常の生産分より多く必要とする部品の生産及び運搬を指示するかんばんをいう。
有効期限を明記し1回だけ使用し使用後回収する。赤色の斜線を入れ他と識別する。
かんばんサイクル Kanban Cycle (Delivery Cycle)
部品の納入頻度(何日に何回)とかんばんを持ち帰った便から何回遅れで納入されるかを取り決めたものである。
かんばんサイクルは納入サイクルとか、かんばん係数とも呼ばれる。
その表示は下図のとおり。
(例)
1−4−2
1=1日に(2日の場合もある)
4=4回納入され
2=2回遅れの便で納入
QC工程表 QC Process Chart
目標とする品質を工程で造り込むために、各工程の特性に合わせた管理項目を、設定された規格や基準に基づき、誰がどのような方法で検査、チェックし、管理していくかなどを決めたものである。
工程の流れ化 Continuous Flow Processing
ジャストインタイム生産を実現するための基本原則の一つであり、工程内、工程間での物の停滞をなくし、一個流し生産を行うようにすること。
工程別能力表 Standardized Production Capacity Sheet
部品を各工程で加工する時、各工程の生産能力を表すもので、手作業時間、機械の自動送り時間及び刃具交換時間などを記入し、工程の能力を算出するための表である。
5回のなぜ Five "Whys"
いわゆる5W1H(WHY,WHAT,WHERE,WHEN,WHO,HOW)が工程分析の現状調査の視点として用いられているが、それ以上に、WHYを1・2度で止めることなく、なぜ、なぜ………と5回なぜを問うことで真因を追求することをいう。
混載運搬 MIXED-Load Conveyance
1台の車両に、多種類の部品を積載して運搬する方法をいう。
この混載運搬により、運搬効率を低下させずに(運搬車両のトータルとしての運行回数を増やさずに)、多回運搬ができ前後工程の在庫量を少なくすることができる。また生産変動に対し運行回数の増減も容易になる。
サイクルタイム Cycle Time
作業者一人が、受け持ち工程を決められた作業順序で作業して一巡するのに要する時間をいう。
作業順序 Working Sequence
標準作業の3要素1つで、作業者が一番効率的に良品の生産ができる作業の順序をいう。
作業標準 Operation Standards
標準作業を現場で正しく運営していく上で、工程図、品質チェック標準、QC工程表や安全標準などをベースとして、質・量・コスト・安全などを確保できるように各作業のやり方や条件を標準化したものの総称である。代表的なものとして、作業要領書・作業指導書・品質チェック要領書・刃具取り替え作業要領書などがある。
仕事 VALUE Adding Work(Shigoto)
材料や部品の付加価値が高められ、工程が進むことを、当社の現場では仕事といっている。
実行タクトタイム Actual Tact-Time
タクトタイムは定時生産で計算するのに対し、運用上、やむを得ず定時以外の時間でタクトを設定する場合がある。この設定タクトをいう。
自働化 (ニンベンの付いた自動化)Jidoka
トヨタ生産方式の2本の柱の1つである。
機械設備の異常や、品質の異常、作業遅れなど何らかの異常が生じたら、機械設備が自ら異常を検知し、自動停止するようにしたり、作業者自身が停止スイッチを押してラインを止められるようににすること。
これにより、不良の流出がなくなると共に、異常が明確にわかり異常の再発防止を図ることができるため、「品質を工程で造り込む」ことが可能になる。さらに、異常が発生しても自動停止するので、設備の見張り(異常発生の)をする必要がなくなり、「省人化(工数低減)」が可能になる。
ジャストインタイム Just-In-Time トヨタ生産方式の2本の柱の1つであり、変化に対応し、経営効率を高めるために、必要なものを必要な時に、必要な量だけ生産したり運搬したりする仕組みとその考え方をいう。
平準化を前提とし、「後工程引き取り」「工程の流れ化」必要数でタクトを決める」3つの基本原則としている。
順序表(仕掛け順序表) Production Sequence Table
生産を行う順序を表にしたもので、生産計画の車型比率に基づいて平準化した仕掛けの順番を表にしたものである。
(正式には仕掛け順序表という。)
順引き(順序引き取り) Sequential Parts Withdrawal 仕掛けられる製品や部品の順番が決まっている時、前工程からその仕掛け順序どおりにものを引き取ってくる、正式には順序引き取りという。
少人化 Flexible Manpower Line
必要生産数に応じて、生産性を落とすことなく、何人ででも生産できるラインを作りあげることを少人化という。
生産の増減があっても、それに比例して作業者数が増減できず、常に、作業者が一定数必要なラインを定員制ラインという。
省人化 Manpower Saving
作業改善や設備改善により、人を一人単位で省くことを省人化という。
省力化 Lobor Saving
作業者が行う人手作業の一部を単に機械に置き換えることをいい、省人化できない状態をいう。
生産管理板 Performance Analysis Board
各工程やラインの、一時間毎の必要量と生産実績と異常内容などを記録する表示板である。
監督者は毎時間チェックを行い、異常の再発防止策の実施と改善の効果確認を行う。
(生産)指示ビラ Specifications Manifest
車に、どういう部品を取り付けるのか、部品の種類を記号化して、車両・製品に張り付ける指示紙をいう。
この貼り紙の利点は、物と情報が一本化していることである。
生産のリードタイム Production Lead Time
工場が受注してから、製品の出荷にいたるまでの時間をいう。
A:該当製品の生産指示情報の滞留時間
B:該当製品の材料仕掛から完成にいたるまでの時間(加工時間+停滞時間)
C:該当製品の完成品の最初の1個(台)ができてから、後工程が引き取る数の完成品が出来あがるまでの時間(運搬数×該当製品の生産タクト)
とすると、生産のリードタイム=A+B+Cで表される。
製造技術 Operations Management Engineering
ものを生産する過程で、現状の設備・材料・人をトータルとして、最も効率的に使いこなす考え方と手法をトヨタでは製造技術という。
外段取り Off-Line Set-Up
段取り作業のうち、ラインや機械設備の運転を止めないでできる、型・刃具・治具類の準備、後片付け等の作業をいう。
多回運搬 Frequent Conveyance
部品単位でみた場合の運搬頻度を多くする運搬方法をいい、前後工程の在庫量を少なくするために用いる。ただし、単に車両の運搬回数を多くし、車両の積載効率を低下させないよう多回運搬するには、混載運搬をして運搬車両のトータルとしての運搬回数を増やさないような配慮が必要である。
・4種類の製品を運搬する。
各製品共に必要量…1車分/日当り
| 多回運搬の悪い例 | 正しい多回運搬 |
1便目 | A,A,A,A | A,B,C,D |
2便目 | B,B,B,B | A,B,C,D |
3便目 | C,C,C,C | A,B,C,D |
4便目 | D,D,D,D | A,B,C,D |
| 各製品 1回/日 運搬 | 各製品 4回/日 運搬 |
タクトタイム Tact-Time
部品1個又は1台分をどれだけの時間で、生産すべきかという時間値をいう。タクトタイムは次の式から求める。
タクトタイム=(日当り稼働時間(定時))/(日当り必要数)
稼働時間は就業の定時間、可動率は100%として算出する。
多工程持ち Multi-Process Handling
工程順に配列された機械設備の各作業を、一人の技能員がタクトタイムに見合った分だけ行うことをいう。縦持ちともいう。
| 製品の種類 |
A | B | C | D |
粗材 ↓ ↓ 完成品 |
1工程(旋盤) | ● | × | ▲ | ■ |
2工程(フライス盤) | ● | × | ▲ | ■ |
3工程(ボール盤) | ● | × | ▲ | ■ |
4工程(タッピング) | ● | × | ▲ | ■ |
1人で4工程を担当
多台持ち Multi-Machine Handling
部品を加工する時、機械設備の配置を、工程や機械の設備の類似性から同種の機械設備を配置し、一人の作業者がその作業を複数行うことをいう。横持ちともいう。
| 製品の種類 |
A | B | C | D |
粗材 ↓ ↓ 完成品 |
1工程(旋盤) | ● | ● | ● | ● |
2工程(フライス盤) | × | × | × | × |
3工程(ボール盤) | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ |
4工程(タッピング) | ■ | ■ | ■ | ■ |
1人で旋盤4台を担当
多能工化 Multi-Skill Development
1個流しでかつ多工程持ちを行うために、多種の機械設備の操作や多種の作業、担当範囲外の作業もできるyぷ、常に作業訓練をはかることをいう。生産量の変更に対しタクトタイムを毎月変え、その新しいタクトに合わせて作業範囲を変えることも、この努力のため容易となる。
段取り替え(時間)(段替え(時間)) Set-Up (Time)
段取り替え作業は、3つの作業に区分される。
外段取り:機械を停止させなくてもできる段取作業
内段取り:機械を停止させないとできない段取作業
調整:段取替後 品質の精度確保やトラブル処理のため機械を停止して行なう作業
通常、段取り替え時間とは、現時点で加工している部品の加工が終わった時から、次に生産する部品の型や刃具などを交換して次の部品の良品1個目ができるまでの時間をいい、下のように区分する。
段取り替え時間=内段取り時間+調整時間
定位置停止方式 Fixed-Position Stop System
コンベアラインで、作業上のトラブル(作業遅れ、品質トラブル)などを発見した時、定位置停止用スイッチ(職制呼び出しスイッチ)を入れると、コンベアはすぐに停止しないで定められた位置まで進み停止するようにした仕組みをいう。
定員制ライン Fixed Manpower Line
生産量の増減があっても、その変化に対応した作業者数が増減できず、常に作業者が一定数必要なラインを定員制ラインという。
定時不定量運搬 Scheduled Time (Unscheduled Quantity) Conveyance
定められた時間毎に運搬する方法である。したがって運搬量は定時間内の消費量次第で不定である。運搬の方法としては、定量運搬が望ましいが遠隔地の場合運行の都合上この方法をとっている。
定量不定時運搬 Scheduled Quantity (Unscheduled Time) Conveyance
後工程の部品の使用が一定量に達したら、その時点で、前工程へ引き取りに行くやり方をいう。運搬効率が良く、工場内運搬の原則である。
トヨタ生産方式 Toyota Production System
トヨタで行なっている製造に関する方法で、ムダの徹底的排除の思想に基づいて、生産の全体を通して物の造り方の合理性を追求し、品質のつくり込みと合わせて原価低減などをする考え方と、それを進める総合技術をいい、ジャストインタイムと自働化を2本の柱としている。
能率 Productivity
生産工程の生産性を評価するものさしで、下記の式で一般には表せる。
能率=(生産実績(良品)/人員X稼働時間(工数))X(100/基準となる1人時間当り出来高)
しかしこの一般式には、運用の仕方によっては問題があり分子の生産実績は
生産数=販売数 でなければならない。販売につながらない製品を生産し能率をあげても、それは見かけの能率を上げることになり実質的な原価低減に結びつかない。
真の能率 True Efficiency
売れる数量を必要最小限の人数と設備で生産し、能率を上げるやり方で、実質的な原価低減に結びつくものをいう。
見かけの能率 Apparent Efficiency
売れ行きに関係なく、現状の人数で生産量を増やして能率を上げるやり方で、単なる計算上の能率アップを見かけの能率という。
全体の効率と個々の能率 Total Productivity and Independent Productivity
トヨタ生産方式は、ジャストインタイム生産により企業全体の効率向上を追求している。
それに対し個々のライン・工程・あるいは各機械設備など、前後工程に関係なく、自工程の能率だけをあげようとしてとられる能率の考え方を、個々の能率という。
個々の能率向上だけを追求しすぎると、必要数以上にものを造ったり、自工程の都合でダンゴ生産を行なったりしがちである。
乗り継ぎ運搬 Truck Transfer System
トラックの運搬作業と積み卸しの荷役作業の役割を分離し、運転者は目的地へ運搬したら、そこですでに積み込み(積み卸し)が終わって待機しているトラックに乗りかえる方法である。
この方法により、荷役作業と運搬作業を平行して行うことができ、物流のリードタイム短縮・在庫量低減が可能となる。また小人数の運転手で多数台のトラックを使うことにより、運転手の運搬の生産性を上げることができる。
ハイヤー方式 On-Call Delivery
運搬専従者が、プレス品や鋳鍛造品などをリフトなどで、1パレットずつ運搬する作業に摘要する。各部品を必要とする工程からの運搬依頼情報を集中管理板に表示し、表示された工程に必要なものを1パレットだけ供給し、供給後は集中管理板前にもどり、次の運搬指示を待つシステムである。
集中管理板では、運搬依頼された情報を保持することにより、情報の先入先出しを可能とし、また現在の仕事量に対する運搬専従者の過不足がわかり、運搬作業の効率化がはかられる。
離れ小島 Isolated Jobsites
作業工程がレイアウト上離れて孤立していて、生産の増減に応じて、他の作業者との組合せが効率的にできないライン構成をいう。
生産変動に対応できないラインであり、少人化の阻害要因の一つである。
はみだし品 Overflow Parts
製造現場のライン側の部品棚など、指定の部品置場からはみだして、床などに置いてある部品をいう。
標準作業 Standardized Work
人の動きを中心として、ムダのない順序で、効率的な生産をするやり方を、トヨタ生産方式では標準作業といいタクトタイム・作業順序・標準手持ち3要素からなる。
標準作業組合せ票 Standardized Work Combination Table
各工程の手作業時間及び歩行時間を明らかにし、タクトタイム内で、1人がどれだけの範囲の工程を担当できるかを検討するものである。また、自動送り時間を記入して、人と設備の組合せが可能かどうかも合わせてみるようにしている。
標準作業票 Standardized Work Chart
作業者毎の作業範囲を図示したもので、標準作業の3要素の他に、品質確認、安全注意などの記号が記入される。標準作業票は現場の対象工程に掲示される。
平準化 Levelled Production (Heijunka)
生産する物(売れに結びついた物)の種類と量を平均化することをいう。
ジャストインタイムに生産するための前提条件である。
ペースメーカー Pacemaker
決められた時間に対し、その作業の1サイクル毎に作業の遅れ進みが、作業者、あるいは管理・監督者にわかるようにする道具である。
ポカヨケ Failsafe Devices (Pokayoke)
品質不良の発生や機械設備の故障発生を防止するために異常の発生を防止したり、異常が発生したらラインを止めるための安価で信頼性の高い道具や工夫
- 作業者のミスを防止する仕組み
- 作業者のミスを発見し警告する仕組み
- 品物に不具合があれば検知し、加工をはじめない仕組みなど
水すまし Fixed-Course Pick-Up (Mizu-sumashi)
複数の前工程を指定された順に巡回し、決められた数だけ自工程の生産順序に必要な種類の部品を集め運搬する方法をいう。つまり、セット・定量・順序引き取りの組み合わさった運搬をいう。
ムダ Muda (Non-Value Added)
生産現場において、付加価値をうみださないで、原価だけを高める生産の諸要素をいう。
- 造りすぎのムダ
- 手待ちのムダ
- 運搬のムダ
- 加工そのもののムダ
- 在庫のムダ
- 動作のムダ
- 不良品、手直しのムダ
造りすぎのムダ Muda of Over-production
ジャストインタイム生産の鉄則にはずれ、必要な時より、タイミング早く生産したり、かんばんなどに示される必要以上に生産すること、及びそのために発生する在庫をいう。この造りすぎのムダは、手待ち、動作のムダを隠したり、加工・運搬のムダを発生させるとともに、運搬車、パレットなどの増加という2次的ムダを発生させるため、ムダの中でも一番問題となるムダである。
手待ちのムダ Muda of Waiting
標準作業の作業順序にしたがって仕事をする過程で、次の手順に進もうとしても進めない状態を手待ちといい、仕事量が少ない場合に生じることが多い。
運搬のムダ Muda in Conveyance
運搬そのものは、製品の付加価値を高めないので本質的にはムダであるが、ジャストインタイムな生産をするために、最小限必要な運搬以外の仮置き・積み替え・小出し・移し替えなどのムダをいう。
加工のムダ Muda in Processing
工程の進みや、加工品の精度などには何ら寄与しない不必要な加工を行うことをいう。
在庫のムダ Muda of Inventory
生産・運搬の仕組みによって発生する在庫(素材・工程間・完成品)をいう。
動作のムダ Muda of Motion
生産活動で、付加価値を生まない人の動きを動作のムダという。
不良品、手直しのムダ Muda of Correction
廃却しなければならない不良品や、手直しをしなければ製品にならない物を造ってしまうことをいう。
手直し工程、調整工程を正規工程とすることは、このムダが発生しているという感覚が薄れ改善が進まない。
ムラ Mura (Unevenness)
車両や部品の生産計画や生産量が一定でなく、一時的に増減変動することをいう。人の面では、ある基準に対し負荷のバラツキをいう。
ムリ Muri (Overburden)
生産現場において、人の面では、心身に過度の負担がかかることをいい、また、機械設備に関しては、それら自身が保有する能力に対して、過度の負荷をかけることをいう。ムダ・ムラ・ムリを総称して3ムダラリという。
目で見る管理 Visual Control
管理・監督者が、生産活動の状態が正常か異常かを目で見て即時に判断できる現場管理の形態をいう。目で見る管理の方法として代表的なものに、アンドン・かんばんなどがある。
ヨーイ・ドン方式 Simultaneous-Start Time Study
問題を顕在化するための方法で、サイクルごとにスタートの合図で全作業者が、各自の作業開始点(標準作業の作業順序の一番目)より作業を一斉に開始する方法である。1サイクルの作業を終えた所で、改めて合図により、一斉に作業を始める。
4S Four S's 整理・整頓・清潔そして清掃の4つの日本語の表音の頭文字を示しやものである。これは物の管理の重要性を強調している言葉である。
4Sに躾(ルールや決めたことを守ること)を加えて5Sともいう。
整理 Seiri (Sifting)
現場で要るものと要らないものを区分して、要らないものは即刻廃棄することを整理という。4Sの1つである。
整頓 Seiton (Sorting)
整理し、必要として残した物を必要な時に、必要なだけ容易に取り出せたり、使いやすいように、所・番地を定め並べて置くことをいう。単純に並べて置くだけでは整列であり、整頓ではない。
清潔 Seiketsu (Spick and Span)
整理、整頓、清掃のよい状態を維持することをいう。4Sの1つである。
清掃 Seiso (Sweeping and Washing)
現場で技能員が仕事をやりやすく、安全に対しても不安がなく、作業動作や歩行に支障のないようにきれいにすることである。4Sの1つである。
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