十数年ぶりに電子工作をしたので紹介します。

 光セレクターの製作

最近、オーディオ製品にCD、MD、デジタルCSチューナなどデジタル出力端子がついているものが増えています。
単にCDプレーヤからMDレコーダへ録音するのであれば、直接光ケーブルで接続しておけば問題無いのですが、デジタルCS・BSチューナやDATなど、ソースになる機器や録音機器が複数台になると、いちいち接続を変更しなければならず大変です。
そこで今回は、光セレクターを製作することにしました。

 仕様

入力 4系統 光入力
出力 4系統 光出力
シリアルコピーマネージャ 秋月電子のキットを製作して内蔵。トグルスイッチで切り替え可能とする。
入力の選択 4個の押しボタンスイッチで選択。選択された状態は4個のLEDで表示
電源 6〜7V400mA ACアダプタで入力


シリアルコピーマネージャとは、デジタルコピー時にコピープロテクトビットを操作するものです。
デジタルでダビングした場合は、音質劣化が無いので著作権の保護策としてコピープロテクトがかかり、ダビングしたものからさらにダビングを繰り返すことが出来なくなります。市販の音楽CDなどであれば納得できますが、生録など自分で録音したものを編集する場合は大変迷惑な機能です。そこで、コピープロテクトを解除できるシリアルコピーマネージャを内臓することにしました。

 回路構成

 各部の説明

マイコン
マイコンによりセレクトスイッチの状態を常時監視します。
セレクトスイッチのいずれかが押された場合、押されたスイッチに対応する光入力を選択するようにセレクタにコードを出力します。
それと同時に選択された光入力に対応したセレクトLEDを点灯させます。
マイコンは、PIC16F84を使用します。

光入力
4つの光入力はそれぞれセレクタに入力されます。
セレクタは、マイコンからの指令により4つのうちの1つを選択して出力します。

シリアルコピーマネージャ
セレクタからの出力はシリアルコピーマネージャを通り、プロテクトビットを操作してインヒビット回路へ信号を渡します。
ただし、トグルスイッチを切り替えると、シリアルコピーマネージャを通さずに直接インヒビット回路へ渡ります。
上の図では、単純にスイッチの切り替えで行っていますが、実際にはロジック回路により切り替えています。

インヒビット回路
選択された入力信号は、すべての光出力へ出力してもいいのですが、たとえばMDデッキの録音と再生の端子をそれぞれ入力1と出力1に接続し、そのMDデッキを録音状態にした場合、MDデッキが自分の再生音を録音してしまうことになり、好ましくありません。
従ってインヒビット回路では選択された入力と同じ番号の出力には信号を出さないようにするためです。
しかし、実際インヒビット回路を通さずに自分自身を録音させた場合、アナログであればハウリングを起こすのですが、デジタルの場合は無音になるだけのようなので、本当は必要無いのかもしれません。

光出力
インヒビットでマスクされなかった端子に対応した光出力コネクタに信号が入ります。
すなわち、選択された入力に対応した出力以外の3つの録音機器にダビングが出来ます。

電源
図にはありませんが、電源の供給はACアダプタなどの入力を想定します。
3端子レギュレータによって各ICに5Vを供給します。
ACアダプタの電圧は、6V以上ですが、あまり高いと発熱するので8V程度までとなります。

 Photo

完成した光セレクタの写真です。

前面

背面

内部

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