Q. 年功賃金制度を成果主義賃金制度に変更することに伴ない、全社員に年俸制を採用することを考えています。年俸制を採用すれば、残業代を支払う必要がなくなるものだと考えていますが間違いないでしょうか。
A. 管理監督者その他一定の者を除き、原則、週40時間、一日8時間を越えて労働者を使用した場合、割増賃金を支払わなければならなりません。又、所定の労働時間を超えて労働させた場合は、その超えた時間について残業手当を支払わなければなりません。基本給の額を月単位で決めていようと、年単位で決めていようとこの規程になんら変更を加えるものではありません。むしろ、年単位で決める(年俸制)と、残業手当の計算上、年額を年所定労働間で割った額が時間あたり賃金となり、月給制よりもその額が大きくなるのが通常です。その意味で、年俸制は、一般事務員や作業員の様に、労働による出力がかなりの程度労働時間に対応するような職種には不向きな制度であるといえます。そこで、年俸制を採用する時は、年俸制採用の対象社員を絞った上で取り入れていくのが理想的と思われます。