Q20. 英語の日常会話程度は出来るという条件で社員を採用しましたが、いざ仕事につかせてみると思ったような英語能力がありません。取引先の外国人も十分に意思が伝わらず不満を漏らしています。解雇できるでしょうか。


A20. このような場合、その雇用契約が業務を特定した契約であるか、一定の能力を有することを採用条件とすることを具体的・客観的に採用面接等の際にその社員に伝えているか、そして、その基で、その社員の履歴書及び面接等の返答があたかもその業務に必要となる能力があると認めさせるようなものであったかということが問題になると思われます。
このケースの場合、英語の能力があることが条件であるにもかかわらず、取引先の外国人からその能力について具体的に劣る旨を示されているのですから、解雇することも不可能ではないと思われます。しかし、一方、採用に際して、その業務を必ずしも特定したもんでなく、また、必要な英語能力について具体的に採用前に示しているとは言えないならば、解雇する代りに、その社員のできる仕事に回すことが実務上妥当な解決策と思われます。
採用した会社に対して、1つの反省すべき点があるとするならば、採用前に事前に英語で面接をする、英検・TOEIC等の点数を確認する等のことをして、その社員の能力を確認すべきではなかったのかということです。