Q26. 弊社は、ある大手メーカーの製品の販売を主とする商社で、ほとんどの社員の業務は、営業です。ここのところ会社全体の売上が不調なため、現在、固定給と一部歩合給を支払っている営業職の従業員について固定給を完全に廃止し、完全歩合制に給与制度を変更することを考えています。法律上何か問題はないでしょうか。


Q27. ご質問の件には、2つの問題が含まれています。一つは、賃金形態を変更すると言ういわゆる労働条件の(不利益)変更と言う問題です。もう一つは、完全歩合の給与制度が法律上可能かと言う問題です。
不利益変更をするためには、原則、労働者各人との合意が必要です。そうでないのならば、変更をする高度な必要性を有するかどうかがポイントとなってきます。
また、完全歩合制については、その労働者を労働時間で拘束している限りにおいては最低限度の賃金を支払わなければならず、違法となります。
実務上の解決方法としては、貴社の経営状態をよく分析し、その状況を従業員によく説明し、公正・公平な基準を定めて、合意できる範囲内においての変更を、場合によっては期限付きで、進めていくことが妥当なものと思われます。