Q. 弊社は、いらゆる既に成熟した産業に属する企業で、将来の見通しがつかないので、会社の保険料負担をなくすことと、景気の波に応じて人件費の調整がつけやすいように、現在いる社員との雇用契約を全て業務請負契約又は業務委託契約に換えることを考えています。この変更つついて何か法律上問題があるでしょうか。


A.  このご質問の場合、雇用契約を一旦すべて解約するということですから、これが社員の合意を得ていなければ一方的解雇ということになります。 そのような解雇が法律上認められるためには、いわゆる整理解雇の4要件を充たしていなければなりません。具体的には、
@人員整理の必要性
A解雇回避の努力義務
B被解雇者選定の合理性
C手続きの合理性
 のそれぞれについての要件を充たしていることが必要です。
これらの要件を充たさない場合には、雇用契約の解消が無効とされる可能性があります。
また、雇用契約を結んだまま賃金の減額、雇用形態の変更等を使用とする場合には、労働者本人との合意がないならば、高度な必要性がある場合に有効と認められることとなります。
ですから、実務上は、会社の現在の経営内容等を社員の皆さんによく説明をして、よく話し合った上で、合意した内容で今後すすんでいかれることをお勧めします。会社が真に立ち行かなくなっていて、社員の皆さんがそれでも貴社と一緒にやっていこうとするならば、きっと合理的な範囲内で合意することが出来るものと思います。