Q. 退職した社員からその直後に、未払いの残業代を請求する内容証明書を受け取りました。何も返事をせずにほっておいたのですが、それから4ヶ月程して、裁判所から召喚状が届きました。その退職した社員がこの件について裁判所に提訴したのです。請求金額は、4ヶ月前と同じ金額になったいます。賃金債権の請求権は、2年で、裁判所に提訴するまで4月かかっていますので、その分すでに消滅時効が成立していると思うのですがそう理解して間違いないでしょうか。
A.労働基準法115条の言う「請求」とは、裁判所を通した請求です。原則、裁判所に提訴しなければ、時効は停止しません。但し、民法153条により、催告(内容証明書による請求もこれにあたります。)をしてから6月以内に裁判手続に入るのならば、その催告をした時点で時効の中断が認められます。御質問の場合、催告から4ヶ月で裁判所に提訴していますので、その間時効が中断しており、催告の日から2年間遡った日までの未払い賃金が請求でき、つまり4ヶ月前と比べて時効により消滅したものはないことになります。