Q. 会社の経営状態が思わしくなく、社員を数人解雇しなければならないと思っています。とりあえず、給与が高く将来もあまり期待できない50歳代の社員から解雇しようと思いますが問題はあるでしょうか。


A. まず、経営状態が思わしくないなどの理由で整理解雇をするときには、基本的に、以下の4つの要件を満たして行わなければなりあません。
(1)人員削減の必要性があること、(2)人員削減の手段として配転、出向、一時帰休、希望退職など解雇回避努力義務を尽くしたこと、(3)被解雇者の選択が公正に行われること、(4)労働者・組合と話し合うなど妥当な手続きをふむこと
さて、御質問は、これら4要件の中で、(3)の被解雇者の選択の公正さの問題になると思います。この選択の基準は、絶対的なものがある訳ではなくある程度まで企業の裁量に任されています。社会的に相当とされうような客観的で合理的な基準は、例えば、少数精鋭で不景気を乗り切るために勤務評定の低い者から解雇対象者にする、又、従業員の生活に配慮するならば、従業員の配偶者が安定的な職業についている者か解雇対象者にすることも考えられます。ただ直線的に50代の社員から解雇するというのでは、公正な基準とは認められない可能性があります。それよりもまず、解雇しようとしている従業員とよく話し合い、今後退職したら、残るとしたらどのような条件になるのか等良く話し合い、お互いが出来るだけ納得のいくように進めていくのが先決と思います。