Personnel Management Office Report 6月号 発行日:平成15年6月1日 |
永浦労務管理事務所からの人事・労務に関する情報発信 |
(前書き) りそなホールディングスが、政府に対して公的資金による資本注入を申請すると発表し、世間を驚かせました。2003年3月期末の自己資本比率が、りそなホールディングスで3%台後半、りそな銀行で2%台前半と国内で業務を営む最低基準の4%を下回ったためでした。取付等の騒ぎもありませんでしたが、日本経済が回復に向かっているという期待に水を差す事件でした。
一方、労働基準法を始めとして、労働者派遣法、職業安定法等、多くの労働関係法の改正案が、現在の国会で審議中です。国会を通過し次第、皆様にはご連絡していく予定です。
最近のニュースから |
定昇なくし職務給に一本化/武田薬、手当も廃止へ
武田薬品工業は12日、一般社員の賃金から定期昇給など年功部分をすべてなくし、職務・職能給のみの完全な成果主義に移行すると発表した。扶養・住宅手当も廃止する。6月からの導入に労使双方が合意した。
製薬業界トップの武田薬品の新賃金制度導入で、年功型から成果型への賃金制度の流れが一層強まりそうだ。
武田薬品は管理職に関しては既に職務給に一本化しており「年功賃金から完全に脱却し、能力と意欲のある社員が力を発揮できる会社にしたい」と説明している。
一般社員約6,000人の給与は、年齢を基にした年齢給が3割、仕事の成果などに応じた職務給が六割、残りが扶養手当などだったが、これを職務給に一本化する。
これまで職務等級が下がっても給料は保証されていたが、新制度では減額もある。
武田薬品は1997年、管理職に続き一般社員を対象に成果主義を一部導入していた。
5月12日(共同通信)
「総務・人事部門」の外注化進む−東京都調査
東京都は12日、「企業の本社機能変容とその影響に関する調査」の結果
を発表した。企業の30%が「総務、人事・労務」部門の雇用を減少させて
おり、25%がこの部門の外注化を進めている。一方、「営業」(23%)、
「経営企画」(15%)の両部門では、雇用を増加させている企業が比較的多い。
5月12日 (東京都産業労働局)
今月の統計 |
平成14年度個別労働紛争解決制度施行状況 厳しい経済・雇用情勢を反映し、全国約 300ヵ所の総合労働相談コーナーに寄せられた総合労働相談件数は62万件を超えた。また、助言・指導、あっせん件数は 5千件を超えるなど、平成14年労働関係民事通常訴訟事件の新受・件数2,321件(全国地方裁判所)と比較しても労働分野のADR(裁判外紛争処理制度)として国民の期待は大きいといえます。
|
今月の判例 |
深夜早朝の待機も労働時間/住み込み管理人の賃金訴訟
マンションの住み込み管理人をしていた埼玉県川口市の女性(63)が「就業規則上の労働時間外の深夜早朝も仕事があるのに、賃金が支払われていない」として、東京の管理会社に約1,900万円を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、約800万円の支払いを命じた。
女性の代理人弁護士は「住み込み管理人の待機時間を労働と認めた判決は珍しい」としている。
判決理由で鈴木拓児裁判官は「住み込み管理人の業務は、一つ一つが短時間でも断続的で、待機時間も含めて管理会社の指揮命令下にある」と判断。時効で既に請求
権がなくなっている期間以降の時間外業務について賃金支払いを命じた。
判決によると女性は1997年から約3年間、夫(故人)とともに東京都北区のマンションで住み込みの管理人として勤務。就業規則上の労働時間は午前9時〜午後6時だったが、管理人室の電灯をつけている午前7時―午後10時まで、巡回や清掃、宅配便の預かりなどの業務を行った。
5月27日(共同通信)
(あとがき)
つい先ほど、マイクロソフトとネットスケープを落下に持つAOL タイムワーナーと、独禁法を巡り争っていた事件で、マイクロソフトがAOLに、$750Millionを支払うことで、和解したと言うことです。日頃、ただ単に使っているインターネットエクスプローラーとネットシケープですが、ITビジネスの上では、いかに重要視されているか再認識させられます。