新艇をGet、どんな艇なのか。

この記録は、シーカヤックショップCetusの西伊豆ツアーに参加してきた時の模様です。

97年の春に卒業旅行でニュージーランドで初めてシーカヤックを体験して以来、3年経ってようやくマイカヤックを手に入れることができました。手に入れたのは、フェザークラフトというカナダのメーカーの分解可能な艇です。

現在のようなカヤックの形は実は「紀元前3000年以上もの昔に※1アラスカなど極北のクジラやアザラシを狩猟して生きてきた人たちの間で完成されていた」ということで、その当時は流木やクジラの骨、アザラシの皮などで作られていた文字通り「スキンカヤック」だったのですが、それを現代に再現して量販を可能にしたのがフェザークラフト社※2です。そう、カヤックは有史以前からあるとても古くからある乗り物なのです。しかも地上よりも広い地球上の7割を占める大海原を旅できる乗り物なのです。

現在主流のFRPやポリエチレンの艇に比べメンテナンスは確かに手間な部分もありますが、何しろチャリンコの輪行同様にいいスポットまで分解して運んで、組み立てて楽しんで、行きたいところまで行って、またバラして陸上の交通機関で帰ってこられるので、休日の大渋滞の中、車で出かける必要もなく楽しめます。その上、保管場所も取りません。

では、そんな艇(Fethercraft K-Light Plus Expedition)を手に入れて初めての泊まりがけのミニ・ツーリング・ツアーのレポートをします。

※1「紀元前3000年以上もの昔に」 スー・ハリスン著の「母なる大地、父なる空(上・下)」「姉なる月(上・下)」「兄なる風(上・下)」(晶文社より)は、この時代のアリューシャン列島を舞台に物語を展開し大ベストセラー小説となった。もちろんカヤックが前編にわたって登場している。

※2「フェザークラフト社」 オーナーであり生粋のカヤッカーであり開発者であるダグラス・シンプソン氏は毎年日本を訪れ「フェザークラフト・ミーティング」という催しで、日本のユーザーの生の声を聞き開発に活かしている。「海に囲まれていて漕ぐのにいいスポットがいっぱいあり、海岸線に鉄道網が張り巡らされている日本で、どうして売り上げが伸びないのか?」というのが同氏の疑問だとか。

1日目(松崎〜岩地)その1 1Page/6

1 バックパッキングできるカヤック   2 バラバラの状態
かなり大きめサイズのリュックサックにきれいに収めることができる(3ウェイバック)。しかも、ライフジャケットやパドル、ポンプなどの付属品も一緒に入ってしまう。

パドルは4分割が可能なタイプ。砂の上に置いてしまってますが、これは悪い見本(笑)。ジョイント部分が渋くなってしまいます。

重量は本体のみで18.5kg。しかしパットのしっかり入ったリュックなので自転車の輪行袋を持つより楽だと感じられた。袋に小さな車輪を付けて引いて歩くこともできる。
  袋から出す。パーツの点数はそれほど多くない。組立時間はカタログスペックでは20分程度だが、まだ慣れていないので3倍近く時間がかかってしまった※3

フェザークラフトの艇はパーツは破損事故を減らすために極力シンプルな部品が使われている。

ちょっとした油断が命取りになる海を相手にする乗り物であるため、どんな小さなリスクも回避すべきという姿勢の現れ。

3 カサラノその1
 
4 カサラノその2
セタスのオーナー笠原さんの艇「カサラノ」。先鋭的なデザインだが、グリーンランドスタイルと呼ばれるじつはトラディショナルなカタチ。ものすごく美しい線の艇でありカッコイイです。

組立方は、前側のフレーム、後ろ側のフレームをそれぞれ組み立て、コックピット部分からつっこむ。そして、真ん中の部分にスライド&ロックするバーでつなぎ合わせテンションをかけながらロックする。シート部分や、荷物を出し入れする穴にカバーをかぶせる。最後にコックピット左右の浮き袋にエアーを注入し組立完成。

  フェザークラフトの艇は2000年モデルの艇から、船体布の製法が新しくなり、溶着技術により縫い目が一切なくなり、完全防水となった。

赤い艇もこの日初めて進水式を迎えた「カサラノ」で、持ち主のヨコヤマさんはご年輩の方なのですが、この3月に沖縄でカヤックを体験し、まる二ヶ月間でマイ艇購入に至っしまったというお方。

5 ホサカ艇の進水式
 
準備完了でいよいよ進水だ。

このK-Light Expeditionは4m弱の小さな艇(一般的な艇は5mちょいくらい)だが「ラダー」とよばれる舵が付いていて、安心感がある。

輪行で自転車ツーリングを楽しんで来た自分にはピッタリな艇ではないかと思っている。
※3組立時間:購入後一月経った現在では30分を切れるようになりました。


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