針原川土石流災害

報道の嘘?

10日の捜索中止を発表する記者会見で,亀井建設大臣が
「二次災害で被害が出たら,あんたらが責任を取るのか。ふざけるな」
と大声で怒鳴ったと報道されましたが,内容が全く変えられています。
確かに大声でしたし,言葉が過ぎたと思います。
他にも応対の方法は有ったと思います。
しかし,あの状況ではこれほど非難されるものではなかったと思います。
特に報道での鍵括弧の引用は実際の発言と信用してしまうので特に気を付けるべきだと思います。
録画したものもあるはずなのに確認もせずに通信社からの記事を新聞社が掲載しているようです。
私は自民党員でも亀井ファンでもありませんが,事実と全く違う報道は見過ごせないので事実を伝えたいと思います。
これが基で災害現場での言葉づかいまでチェックされるようになっては救出活動の妨げにもなり兼ねませんので。

10日の午後5時30分頃だったと思います。
午後6時で10日の捜索を中止すると言う「記者会見」でした。
当時,雨は止んでいました。
初めは市長が説明していたのですが,肉親にとって「二次災害の危険があるから捜索を中断する」と言うのは納得し難いことだと思います。
そこで大臣が危険性について専門家に説明をさせると割って入って来ました。
崩れかけたところが崩れるかもしれないと言う漠然としたものではなくて,前兆現象が見られると言う説明でした。聞きながら怖くなったほどです。
その説明の後に大臣が「二次災害を出しちゃならん!」ときっぱりと言ったので私達は諦めが付いたように思います。
「あんたらが責任を取るのか。」とは言っていないと思います。

質問者はさらに食い下がって「じゃ見つかるまで探してくれるのか!」と言いました。
その言葉の裏には「どうせ大臣は見に来ただけですぐに帰ってしまうのだろう」「他人事と思っている」と言う思いがあったと思います。そこで「ふざけるな」の発言が出ました。
「こうやって一生懸命やっているじゃないか!何を言っているんだ!ふざけるな!」です。
「二次災害で被害が出たら,あんたらが責任を取るのか。ふざけるな」ではありません。
続けて最善を尽くすと言うことを全身で表現するような言葉が続いた後「言葉が過ぎたところは謝ります。」と頭を下げました。
私も「ふざけるな」の言葉はどうかと思いましたが,確かなことは何も言えないあの場に身を置いてみると「諦めずに最善を尽くします。」と言う奇麗な言葉より説得力があり家族を納得させるものだったと思います。
質問者(家族だった)も少しは納得したような表情でした。

このように「素人は黙っておけ!」とか捜索続行を求める声に対しての「ふざけるな」と言う発言は無かったと思います。
少なくとも私が現地災害対策本部に居る時はありませんでした。

また,13日の『天声人語』ではこの問題を取り上げて「・・・きちんと説明すれば,みんなが,わかる。」と非難していましたが,肉親の身になってみれば「いくら理詰めで説明されてもわからない」のではないでしょうか。
それに,これ以上の説明はないくらいきちんと説明された後の話しです。

実はその時,現場では私からの連絡を待つ仲間が居ました。
捜索作業が中断され立ち入り禁止にした後,民間ボランティアが入って行ったのです。
その民間ボランティアは特に許可を受けたものかどうかわからず,私の仲間は危険地域内に人が残っていないか見に行ったのですが,今にも土石流が襲ってくるかもしれないところで待機していました。
「(時間をかけて)きちんと説明」している間に指示が遅れて土石流が襲ってくれば何人もの人たちが巻き込まれていたことでしょう。
私は指示を待つように言われていましたが,待ちきれず会見で作業中止の意志が固いことがわかったので現場を離れるように独断で指示をしました。
災害が続いている現地ではゆっくり話しをしている暇はありません。
だから何を言っても良い。とは思いませんが・・・

更新日 97/07/16
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