Last updated:12/06/2020__v1.2
MIDI
ここに掲載した曲およびMIDIの著作権は稲田馬聖に帰属します。改変、転用はご容赦ください。著作権に関するお問い合わせは、ホームページ管理人までお願いいたします。
楽器の設定は邦楽器(箏、三絃、尺八)にしているのですが、時間が経過していますので、お聞きになるパソコンの音源によっては、変な音で再生される可能性があります。また、このMIDIファイルから五線譜を出力した場合、一部楽譜と異なる場合があります。
MIDI FILE:3ca0001a.mid(07:28,30KB)
曲の説明
一尺八寸管による三重奏曲です。1985年11月、S大学三曲同好会「第17回定期演奏会」で初演されました。稲田馬聖の最初の作品で、ここからすべてがスタートしました。今となってはあらが目立つのですが、修正せずにそのままにしています。
全体は暗い前奏部、素朴なリズムを刻む部分、緩徐部分、のびやかな旋律が展開する部分、再び素朴なリズムを中心とした終曲部から構成されています。
当時は、尺八の歴史を調べていて、薦僧(こもそう)から時宗(じしゅう)、そして一連の浄土教へと関心が広がっていた時期であったので、プログラムにはいささか宗教色の強い解説を書いています(実際は、宗教というより京都や奈良の仏像に入れ込むような感覚だったのですが)。多少、新興宗教のような誤解を受けるリスクはありますが、若さというか青臭さというか、そういうものが感じられて、今となってはちょっとおもしろいので、ここに引用しておきます。
「我々尺八吹きは現代社会において市民権を得ていないばかりか、あるいはとかく笑い者とされ、不当な差別を受けています。これは明らかに偏見というべきです。尺八の世界は広大無辺で「一音成仏」というように、うまく音が出たときなどは、極楽浄土を現出させることもできるのです。三人の尺八吹きは、世間の偏見を打破し、この世に極楽浄土を創り出すために行進を始めます。「たそがれ」とは尺八吹きの現状を表すとともに、夕焼の彼方の西方浄土を暗示しています。」
当時は、虚無僧のような禅系の独奏中心の尺八楽に対して、合奏中心の「浄土系尺八楽」を創り出そうなどと、とんでもないことを考えていた私でした。
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