Last updated:12/06/2020__v1.4



MIDI

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楽器の設定は邦楽器(箏、三絃、尺八)にしているのですが、時間が経過していますので、お聞きになるパソコンの音源によっては、変な音で再生される可能性があります。また、このMIDIファイルから五線譜を出力した場合、一部楽譜と異なる場合があります。

MIDI FILE:3ca0005a.mid(12:51,83KB)

曲の説明

「補陀落」と書いて「ふだらく」と読みます。一尺八寸管(d)と二尺三寸管(A)による四重奏曲です。
曲は、大きく分けて3つの楽章から構成されます。最初の楽章は、舟を漕ぐようなリズムと大海を進むような伸びやかな旋律で構成してみました。第2楽章ではテンポを落とし、琉球音階を使ってみました。第3楽章は、リズミカルに波しぶきをあげて進んでいく感じを出したいと思いました。そして、最後に第1楽章のテーマを繰り返して終わります。

「補陀落」とは仏教にいう一つの理想郷のことで、観音菩薩の住む所だといいます。インドの南海岸にあるともいわれますが、その真偽のほどはわかりません。遥か海の彼方にある浄土を想像していただきましょう。そして、その浄土を求める人々が大海にくり出した舟を想像していただきましょう。浄土を求めるということは、現代の科学万能の社会にあっては、考えることもなくなってきましたが、人々の心の奥底には、まだそんな心理が残されているような気がします。社会が複雑になり、経済的な競争が激しくなればなるほど、そんな心理は生き続けます。そういう心の中に、深い霧の中から補陀落の舟が現れて、私たちを浄土へと導くのです。
 (第20回S大学三曲同好会定期演奏会プログラムより)

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