曙光桃源調

曲の説明

曙光桃源調(しょこうとうげんちょう)

青みを帯びた東の空が、しだいにオレンジ色に染まり、まばゆい日の光が、里山に取り囲まれた田畑や家々を照らし出します。縄文、弥生の昔から、人々は里山とともに、自然と調和した暮らしを積み重ねてきました。暁に照らされて活力ある一日が始まり、農耕や商流の発展とともに、里の賑わいは増していきました。

やがて、清らかな水が流れ、里山が連なる丘陵地帯だったところに、道が作られ、駅ができ、新しい街がつくられました。そして、戸建て住宅やマンションが立ち並び、商業施設やオフィスに人々が集う街へと発展してきたのです。桃の花こそ咲いてはいませんが、現代の桃源郷と言うのは過言でしょうか？

街が便利になればなるほど、自然との調和は失われていきます。かつての里山の暮らしに想いを馳せつつ、多くの人々が活気をもって暮らし、環境と調和した未来に向かってこの街がさらに発展していくことを願い、曲を作りました。

(注)　縦譜につきましては、当該楽器のほかに他の楽器のパートを補助的に記載しています。ただし、複数のパートを集約し、オクターブも変えているところがあります。また、十七絃は箏に、２尺３寸管は1尺８寸管に置き換えて記載しています。正確には、五線譜（スコア）をご参照ください。