曲の説明
都の花(みやこのはな)
安土桃山時代から江戸時代にまたがる慶長(けいちょう)年間(1596~1615)は、浅間山(あさまやま)が噴火したり、慶長の大地震や慶長三陸地震など大地震・津波が相次ぎ、また、慶長の役(えき)、関ヶ原の戦い、大坂冬の陣、大坂夏の陣と戦乱も続きました。こうした動乱の後に、都に平和が訪れます。舟木本(ふなきぼん)「洛中洛外図屏風(らくちゅうらくがいずびょうぶ)」(岩佐又兵衛(いわさまたべえ)?筆)、「花下遊楽図屏風(かかゆうらくずびょうぶ)」(狩野長信(かのうながのぶ)筆)を題材に、「洛外(らくがい)から」「洛中(らくちゅう)の春」「桜の宴(うたげ)」「花下(かか)の舞」の4つのシーン(場面)で、花咲く京の都を描いてみました。
洛外から都を眺めれば、方広寺(ほうこうじ)大仏殿や二条城(にじょうじょう)が偉容を誇り、その周囲に町並みが広がっています。
満開の桜に包まれる清水寺(きよみずでら)、祇園(ぎおん)などの名刹(めいさつ)が金の雲で彩られ、四条河原(しじょうがわら)では歌舞伎や操り浄瑠璃などが演じられ、歓楽街の賑わいが伝わってきます。
満開の八重桜(やえざくら)の下、たおやかな女性たちが車座になって、爛漫の春を楽しんでいます。三味線の音に誘われて、宴の様子をうかがう女性たちもいます。
花咲く海棠(かいどう)の木の下で、人々が踊りを眺めています。流行の先端の鮮やかな衣装をまとった女性たちが踊り、刀を腰にさして男装をした女性たちも腰をひねって跳ね踊ります。
参考文献:『風俗画入門』(辻 惟雄 講談社学術文庫)、「日本美術名宝展」図録、Wikipedia、e国宝、Canon 綴TSUZURI文化財未来継承プロジェクト(洛中洛外図屏風(舟木本)、花下遊楽図屏風)
(注) 縦譜につきましては、当該楽器のほかに他の楽器のパートを補助的に記載しています。ただし、複数のパートを集約し、オクターブも変えているところがあります。また、十七絃は箏に置き換えて記載しています。正確には、五線譜(スコア)をご参照ください。
音源
mp3 FILE:3ka039a_都の花 v1.0.mp3(7:48)
YouTube:「都の花」の動画(7:54) 風間禅寿氏のサイト
楽譜
縦譜(箏・十七絃譜、三絃譜挟み込み)、縦譜(尺八譜)は大日本家庭音楽会から出版されております。
五線譜(表紙、調弦表):3ka039bg_都の花(五線譜/表紙・調弦表) v1.0.pdf
五線譜(スコア):3ka039g_都の花 v1.0.pdf
五線譜は「MuseScore」、縦譜は佐藤祈采氏ご提供の「JapoScore」を使用しています。
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