曲の説明
勾玉三彩(まがたまさんさい)
縄文(じょうもん)時代から弥生(やよい)時代を経て古墳(こふん)時代へと長い時を経て作られ続けたという勾玉。装身具でもあったのでしょうが、『古事記』や『日本書紀』では、アマテラスが弟のスサノオと対決する際に勾玉や管玉(くだたま)を連ねたネックレスを身につけたとあるように、古代においてはパワーを発揮するオブジェクトとして使われたようです。勾玉はいろいろな材料で作られましたが、この曲では、短いイントロのあと、「翡翠(ひすい)」「水晶(すいしょう)」「琥珀(こはく)」の3つのシーンで構成しました。
翡翠は糸魚川(いといがわ)市付近の新潟・富山県境で産出し、その成分によって色は異なるようですが、ここでは淡い緑の勾玉をイメージしました。身につけることで力が湧いてくるというのは、フォッサマグナのパワーによって生成されたからでしょうか?
水晶は透明で、神秘的な静謐(せいひつ)さを感じさせてくれます。情報が溢れかえる現代において、心を落ち着かせてくれるような気がします。
琥珀の温かみのある色は、どこか懐かしい時代を想起させます。SNSなどなかった頃は、文字を読んで傷ついたり、不安になったりすることもなく、人と人のつながりが弱さを支えてくれていました。
6世紀に百済(くだら)から五経博士(ごきょうはかせ)が貢(こう)され、仏教も伝来しました。古代の人々も新しい思想を採り入れ、考え方が変わっていくなかで、古墳ともに勾玉も消えていきました。そして1,500年の時を経た今、ネットショップで金額表示がついた勾玉をたくさん見ることができます。
参考文献:『日本ヒスイの本』(北出幸男 青弓社)、Wikipedia
音源
mp3 FILE:3ka045a_勾玉三彩 v1.0.mp3(7:31)
楽譜
五線譜(スコア):3ka045g_勾玉三彩(五線譜) v1.01.pdf
縦譜(尺八譜):3ka045jt_勾玉三彩(縦譜/尺八譜)v1.01.pdf
五線譜は「MuseScore」、縦譜は佐藤祈采氏ご提供の「JapoScore」を使用しています。イメージ写真はphotoAC素材を使用しました。
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