月と雪・花

Tsuki to Yuki Hana

作品60 2025.11. 7作曲


月と雪・花イメージ

曲の説明

月と雪・花(つきとゆきはな)

マーク自然の美しさを象徴する三つを選び「雪月花(せつげっか)」と言われますが、これは中国での順番で、日本では「月雪花(つきゆきはな)」と呼んできたそうです。季節の移ろいからすれば、「月雪花」のほうが素直な感じがします。

マーク西行(さいぎょう 1118~1190)の月の歌、清原深養父(きよはらのふかやぶ 生没年不詳、清 少納言(せい しょうなごん)の曽祖父)の雪・花の歌を題材に、「月の色(つきのいろ)」「雪の花(ゆきのはな)」「花の心(はなのこころ)」の3つのシーンで、季節の移ろいを眺めてみることにしました。

月の色に 心をきよく そめましや
みやこを出でぬ わが身なりせば
  西行法師(『新古今和歌集』巻第十六1532)
冬ながら 空より花の 散り来るは
雲のあなたは 春にやあるらむ
  清原深養父(『古今和歌集』巻第六330)
うちはへて 春はさばかり のどけきを
花の心や なにいそぐらん
  清原深養父(『後撰(ごせん)和歌集』巻第三92)

マーク月の光がこれほどまでに心を清らかに染めてくれることはなかっただろうと、都から遠く離れて月を眺めている西行の姿が浮かびます。

マークちらちらと降る雪は「不匂花(におわずのはな)」「不香(ふきょう)の花」という言い方もあるそうで、冬の曇天(どんてん)の向こうに春の光やぬくもりを感じ、春を求めるのでしょう。

マークそして、のどかな春はずっと続いているのに、花の心はどうして急いで散ろうとするのかと、時が移ろいゆくのを惜しんでいます。

参考文献:『雪月花のことば辞典』(宇田川眞人編著 角川ソフィア文庫)、『新古今和歌集』(佐佐木信綱校訂 岩波文庫)

 

マーク(注) 縦譜(三絃譜、尺八譜)につきましては、当該楽器のほかに他の楽器のパートを補助的に記載しています。正確には、五線譜(スコア)をご参照ください。。


音源

mp3 FILE:3ka060a_月と雪・花 v1.0.mp3(6:29)


楽譜

五線譜(スコア):3ka060g_月と雪・花(五線譜) v1.0.pdf

 

縦譜(箏譜):3ka060jk_月と雪・花(縦譜/箏譜)v1.0.pdf

縦譜(三絃譜):3ka060js_月と雪・花(縦譜/三絃譜)v1.0.pdf

縦譜(尺八譜):3ka060jt_月と雪・花(縦譜/尺八譜)v1.0.pdf

マーク五線譜は「MuseScore」、縦譜は佐藤祈采氏ご提供の「JapoScore」を使用しています。イメージ写真はphotoAC素材等を使用しました。

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