神奈川県知事殿 題目:地球市民かながわプラザのライトアップについて 横浜市根岸線本郷台駅にある県の施設「地球市民かながわプラザ」のライト アップについてお願いとご提案をさせていただきます。 プラザの完成後夜間ライトアップが実施されております。まずこのライトア ップについて次の点から改善をお願いするものです。 (1)省エネルギー推進の必要性 温室効果ガスの削減を議論した京都会議で我が国は6%の削減を、また諸外国 でも同等の約束を行った事はご存じの通りです。この削減の実現については、 国の施策を期待すると同時に企業、県・市町村の地方自治体においてもその 「具体的な実行」を緊急に行う必要があることは、新聞紙上等でも議論されて おります。(例:1月12日付け朝日新聞社説参照)この様な状況の中で新た な施設でのライトアップは、費用、効果、及び 周囲への影響 を最大限に考慮 された中で行われるべきと考えます。 同時に、プラザの立地条件(住宅地の中であること)と、運営の趣旨から見て も、過度のライトアップの必要性が有るとは、考えられません。 (2)夜空を無駄に照明する光源がある プラザのライトアップに際しては、施設屋上から強烈な光が一帯の空を照らし ている場合があります。本照明は消灯されることもあるようですが、点灯され る際には、その光の多くが夜空に向けられています。本来、ライトアップの対 象となる建物のみを照明するべき光が多く無駄に宇宙に向けられています。県 民の税金が、この様な形で浪費されるべきではないと考えます。 (3) (2)項についてプラザの周辺の天文活動が影響をうけている プラザの照明については、近隣の天文家の中でも天体観測に影響があるとして 問題としています。屋外照明が無駄に夜空を照らし、星を見る機会をどんどん 少なくしている「光害」については、環境庁のスターウオッチング等の活動で だんだんと明らかになり適切な屋外照明(水平以上に光の漏れないフルカット オフ型照明)の設置と無駄な照明の消灯が望まれています。昨年4月ヘールボ ップ彗星接近時は、環境庁の推進でライトダウンが行われたことはご存じと思 います。 プラザの照明類を下記6種に大別し、各々について提案をさせていただきま す。 なお、エントランスの階段の照明は、環境的に全く影響を与えないばかりか大 変効率の良い照明器具であるため、下記分類には含んでおりません。 1.屋上のドーム状の物体から夜空を照らす強烈な光 2.建物本体及びブリッジのライトアップ 3.オブジェのライトアップ (4m四方程度のもの) 4.プロムナードの足下からの照明 (真上のみに光を放つ) 5.道沿いの花壇の水銀灯 (真上への光漏れはなし,横へはあり) 6.街灯  1.は(2)項で触れた照明です。1月28日現在止んでいるようですが、 本照明は、本文でも訴えておりますように、最も無駄と考えられる照明であり 今後点灯されないことを希望します。  2.3.4.は平時には21時、または、コンサートなどの催し物がある場 合はその終了時刻を目処として、深夜には消灯する。地球環境に配慮し、人の 目に触れる機会の少なくなる時間には消灯されることを希望します。21時は 近隣のスーパーマーケットの閉店時間であり、平時は本時刻以降、本郷台駅周 辺には駅からの帰宅者のみが往来することとなります。  5.6.は22時を目処として消灯又は赤外線による検知器(Motion Detector) の取付を提案します。もともと近辺に照明はあり、施設独自の照明を深夜に渡 るまで点灯させる意義は薄いと判断されます。22時を目処とした消灯あるい は照明が「必要とされるときだけ点灯する」赤外線による検知器(Motion Detector) の設置を提案させていただきます。 またこれらの照明については、横方向に光が漏れ、眩しさ・障害光の点から 問題が残る可能性があると考えております。これらの点については、別途私ど もも更に検討の上ご連絡させていただきます。 更にご提案させていただきます。プラザのライトアップの消灯だけでは、地 球環境への影響は小さい物かもしれません。しかし、本郷台周辺をもう一度眺 めていただきたいと思います。僅か4−5キロメートルで鎌倉の名刹円覚寺、 長慶寺があり、周囲は自然が豊富な県民に残された数少ない景勝地では無いで しょうか。敢えて夜間に人工の明かりを灯さずとも、美しい環境はすぐそこに 有るのです。そしてそれは、夜空(星空)も演出に加わっていることをお考え いただけないでしょうか。 同時に県の施設が率先して地球環境に配慮し、豊かな自然を創り出し、県民に 範を垂れていただくことが省エネルギーの具体的な推進力になると信じており ます。 以上心より、ご検討をお願いいたします。 なお、屋外照明に関する「エネルギーの問題」と「障害光の問題(ギラギラと 眩しさ)」については多くの情報を下記のわかばだい天文同好会のホームペー ジに掲載しておりますのでご覧いただければ幸いです。(参考記事添付)                   1998年1月28日