横浜市長 高秀 秀信殿 日本照明器具工業会御中 横浜市環境保全局環境影響審査課御中 横浜市環境保全局公害対策部大気騒音課御中 横浜市交通局局長殿 横浜市道路局局長殿 横浜市建築局局長殿 横浜市緑政局局長殿 横浜市都市計画局局長殿 題目:横浜市の照明の改善について 拝啓。時下ますますご清祥の事お喜び申し上げます。 横浜市で管理されている照明について問題提起と提案をさせていただきます。 横浜市の照明の調査結果を添付の「屋外照明の調査−横浜市」としてまとめま した。まずご覧いただければありがたく思います。 調査の結果から、横浜市で使用される照明の多くが「エネルギーの無駄」と、 運転者や歩行者の目に眩しい「障害光」の原因となっている可能性のある事が 分かりました。屋外照明だけで年間約50億円の無駄になっていると試算されま す。これらの問題を横浜市に御検討いただきたい事、及び下記改善の提案をさ せていただきます。また照明の改善は、照明器具メーカ殿のご協力なくしては 実現する事の困難さがある事から、同じ提案を(社)照明器具工業会殿へも提 出させていただきます。 本提案は、決して現在ある「照明文化」に対する批判ではありません。これま で「誰も気付いていなかった問題」の前向きな改善提案(新しい照明文化の創 造)としてご理解いただけるよう、特にお願いいたします。 御提案事項 1.省エネルギーの推進 温室効果ガスの削減を議論した京都会議(CPO3)で我が国は6%の削減を、また 諸外国でも同等の約束を行った事はご存じの通りです。この削減の実現につい ては、国の施策を待つと同時に企業、県、市町村においてもその「具体的な実 行」を緊急に行う必要があることは、新聞紙上等で議論されております。横浜 市では自動車のアイドリング停止等の具体的な施策をはじめられたのは、素晴 らしい事です。照明(屋外及び屋内)に関しても、省エネの施策をご検討いた だくことを強くお願いします。 具体的には; (1) 屋外照明(道路灯、街灯、安全灯、防犯灯など)に水平以上に光を出さな い傘の付いた照明器具(フルカットオフ器具)を採用し、ランプのワット数も 下げること (2) 光源として街灯及び夜間灯等についても水銀ランプではなく、より効率の 良いナトリウム灯(水銀ランプの2〜3倍の効率があります)の使用拡大 (3) 上記(1)と(2)の条件に合う照明器具の開発を含み、照明器具メーカの協力 を得る 2.障害光(眩しさとギラギラ)の低減 添付の調査でお分かりいただけるよう、高い輝度のランプから出る強い光が、 車の運転者と歩行者に眩しさとなり、ギラギラした光が景観さえも台無しにし ている可能性があります。適切な傘を取り付けたグレアをおさえる灯具の採用 (1.項のフルカットオフ照明がこれにあたり、省エネにもつながります) 3.タイマー、赤外線センサーによる照明のコントロール 照明が必要なときだけ点灯するタイマー、センサーによるコントローラの利用 拡大 以上、適切な器具を選択することで、「快適な照明環境」を実現し、市民も、 照明を管理する横浜市も、そして地球環境をも守る「誰もが利を得る」環境を 実現可能です。旭区若葉台団地では、この屋外照明改善の実験を行いました。 この結果も資料として添付します。 本提案は、「環境保全局公害対策部大気騒音課殿」及び「横浜市建築局殿」へ は、一度ご説明させていただいております。横浜市、市の関連部門、照明器具 メーカ殿及び施工業者殿を交えた意見調整も必要と思われますので、適任の方 と面談した上で具体的に話し合う事を希望致します。3月第1週を目標にご回 答いただき、ご相談を希望致します。宜しくお願い申し上げます。   敬具。                          1998年2月23日