回転サーチライトを無くそう



OLPACサーチライトを無くせ!

夜空を台無しにする光

強力な光を空に向けて出し、ぐるぐると回るサーチライトの問題を指摘する声 が上がっています。
横浜市の例では、多くの住民から夜空の環境の悪化、漏れ光、障害光の問題、 景観の悪化が指摘されています。何キロも離れた場所に住む市民から、窓から 見る雲が照らされ、光の輪が動くため、子ども達が恐がるという指摘もありま す。そして毎日夜空を見ている天文家達は、一晩中夜空を照らすサーチライト に困っているのです。星の観測にも支障があるからです。


サーチライトの強力な光は、遠く何キロも離れた場所まで届き、夜の美観を台 無しにしていると言っても過言ではありません。

何キロも離れた広い地域に影響を及ぼし、夜空の 景観を阻害することは、たった一人の利益のために、広告・宣伝と言う理由で 許されるべきものではないはずです。

広範囲に影響を及ぼす事を充分考慮し、適切に管理する事が必要になって来て います。
もしこのまま何の対策もされないなら、沢山の広告が後に続き、管理のないま ま過剰な競争につながる可能性があります。その結果、夜間環境の阻害、生活 の質の低下は避けられません。


光害対策の後戻りが懸念される

天文家や環境庁から光害対策の為に水平以上に出る光の量を少なく する必要があることが指摘されています。また、1998年3月に作られた光 害対策ガイドラインでは、広い範囲に影響を及ぼす、サーチライトを許可しな い事がハッキリと明記されています。

光害対策で一番大切な事は、多くの人に効率の良い、 水平以上に光の出ない照明の必要性と利点を理解してもらうことから始まって います。

その様な、光害の対策の活動の中で、サーチライトが増えることは、この光害 対策の後戻りにつながる懸念が出て来ます。広告照明の先を争った競争を激化 し、もっと明るく、もっと目立つ広告を設置する事にもつながってしまう可能 性があるのです。


天文活動への影響

天文活動への影響は、具体的に学術的な観測にも影響が出ています。

小惑星を観測している天文家達は、小惑星を検出するためにカメラを使って長 時間の露出を行います。彗星の観測でも同じ方法が使われており、回転サーチ ライトの光は、この写真に写る星を見えなくしているのです。そして実質的な 被害を受けている事はハッキリしています。

暗い場所にある観測地まで、何キロも離れて光が届くサーチライトが設置され ることは、天文家にとっては、活動の場を奪われる事に等しいのです。


国際ダークスカイ協会 Forrest Hamilton氏撮影

環境の悪化

この夏、市民が庭やベランダに出て夜空を見上げたときそこに何を見るでしょ うか。

都市部でも、まだ白鳥座やこと座を代表とする夏の星座を見ることが出来ます。 自宅でそのような季節の星座を見ることが出来るのは、全ての市民にとって、 憩いの時であり、誰にでも許されなければならない大切な景観の一部です。夜 空の景観さえ、ぐるぐると回る明かりで台無しになってしまいます。夜空は、 自然の景観の一部で、誰もが自由に享受できる大切な財産ではないでしょうか。
たった一人の心ない行為で、何万年も続いた美しい夜空や、夜景が台無しにな っているのです。


地球温暖化対策−京都COP3の結論を行動に

地球温暖化対策を具体的に民間でも、そして県や市でも実行し始めました。民 間の会社が新エネルギー源の開発を行い、1キロワットの電力も無駄にしない 努力がなされ始めています。

家庭では、白熱電球を小型蛍光ランプに交換し、アパートの階段には、赤外セ ンサーとタイマーを組み合わせて省エネを計っています。路上をハイブリッド バスが走り、赤信号では、エンジンを止めています。一般車でさえも、停車中 は、エンジンを切ることをJAFは、提案しています。

誰もがエネルギーの無駄を無くし、効率の良い使い方を考えているのです。
サーチライトの及ぼす影響を−他社の追従、過剰照明の原因−を考えると、サ ーチライトを無くすことが必要になってくるのではないでしょうか。
今、京都COP3の結論を誰もが行動に移すときが来 ているのです。


アメリカでの活動

アメリカでもサーチライトを無くす運動が展開されています。上に掲げたロゴ "Bag the Beam"(サーチライトを無くせ)は、 OLPAC の活動で使われ ているものです。また、サーチライトの写真は、 International Dark-Sky Association (IDA)(インターナショナルダークスカ イ協会) が撮影したメリーランド州にあるサーチライトの写真です。こ の写真にあるサーチライトの設置が、その後写真の左にある建物にもサーチラ イトを設置する契機にもなってしまいました。
過剰な照明が追従する企業を増やし、拡大してしまう原因となっている一例で あり、光害対策活動を難しくする一因ともなっているのです。
スマートライトプログラム事務局
国際ダークスカイ協会日本セクション
星空を守る会
WWW: http://www2a.biglobe.ne.jp/~wakaba/
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