無くさなければならない障害光

交差点に入る車や歩行者に強い光が眩しい例

上の写真は、車が交差点に入る位置から、交差点全体を撮影した写真です。ち ょうどドライバーの視線の位置にある水銀灯の光が眩しく見えています。この 写真は、特別な例ではありません。街の中で、郊外で、どこでも見かける、ご く普通の風景です。
左の写真は、ある駅前交差点の写真です。信号機のすぐ近くに設置された街路 灯があり、ここでも水銀ランプの強い光がドライバーに直接見えています。同 時に強い光が作る光芒で交差点の視認性も影響を受けています。 そして、こ の例も、どんな所でも見かける典型的な風景です。
障害光の問題

無秩序に設置された照明 は、車を運転する人、 歩行者に眩しく、そしてギラギラした光が住民たちの環境をだいなしにしてい ます。この様な問題は、 「漏れ光」 、特にひどいものは、 「障害光」 と 呼ばれています。
照明器具の水平方向から上下数十度の範囲は、グレア領域と呼ばれます(電気 設備学会誌平成9年1月)。この領域に出る光は、眩しさとなり、無駄になっ ています。
照明の専門家である中京大学の成定康平博士は、次の様に述べられています;

「一般に、グレア領域に多くの光束を空費し ている照明器具は、漏れ領域にも多くの光束を空費しているので、グレアの強 い照明器具の照明率は低い。」

使用しているエネルギーに比べて、照明が必要な場所に届く光が少ないと言う ことです。


視認性を阻害する障害光

右の例を見ると、明るい光が車道を安全に、快適に照明しているように見えま す。

でも、本当にそうでしょうか?もう一度写真を 良く見てください。

ギラギラした光を見ることで、照明が明るいと錯覚をおこしているのでは無い でしょうか。

眩しい光が水平方向や、上方に出ることで、実際に役立っている光は、全体の 光束の半分以下しかありません。実際には、道路上は暗く、車を運転する人に は眩しさが強いため、道路上の視認性は、悪化しています。照明率が悪いばか りでは無く、視認性の低下も起こっています。

照明器具のランプが直接見えないような、良質の器具の使用が望まれるのです。


ギラギラと眩しい光が視認性を悪くしています


環境庁も必要とした照明環境設計

照明の設計・設置は、エネルギーの問題、障害光、環境等を総合的に検討した 秩序ある設置が望まれます。環境庁が平成10年3月に出した「光害対策ガイ ドライン」では、次の様に述べられています;

「我が国では、「照明環境設計」が独自の高 度な専門技術を要求する技術であるとの認識が低く、照明環境設計者としての 地位も殆ど認識されていない。このため、施設全体としての照明計画がなされ ずに、専門の技術を持たない者が設計を行うことも多く、必ずしも適切な照明 設計が行われているとは言えない。」

国が指摘し、又ここに実例として紹介した幾つかの写真で分かるように、私た ちの周りで、必ずしも適切な照明設計がなされているとは、言えません。

どうすれば良いのでしょう。


解決は、難しくありません

漏れ光や障害光の少ない照明は、水平以上に光が出ない、適切な照明具を使う ことで実現することがでいます。光が必要な時に、必要な場所だけを照らし、 街の中からギラギラを無くすることで、いきいきした夜間の照明環境を取り戻 すことが可能になってきます。
この様な照明は、 フルカットオフ照明 と呼ばれ、照明率も 高く、効率も良くなります。エネルギーの無駄を少なくし、眩しさの無い照明 は、照明を設置する人も、また照明を使う人も、誰もが利益を受けるものでは ないでしょうか。
照明が求められる店舗や道路が適切に照明されることでギラギラが消えた、快 適な街を作る事が出来ます。


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