高秀秀信横浜市長からの回答                           横浜市長 高秀秀信  お手紙拝見しました。  日ごろから市政にご協力いただき、ありがとうございます。  さて、お申し出のありました件についてお答えします。  現在、横浜市建築局で施工する施設(総合庁舎、学校、住宅など)の屋外に おける照明器具(街路灯など)の選択にあたっては、照明器具の汎用性、器具 交換の利便性やコストなどから市場性の高い規格品の使用に重点をおいていま す。 また、ランプの種類の選定にあたっては最低の照度と最小限の器具数とするこ とで、設備費の縮減を図るため、高効率で演色性などに優れた水銀灯や蛍光灯 を多く採用しています。 一方、省エネルギーの点では、フォトセンサーによる点減に加え、回路の区分 などを行っています。 ご提案のフルカット器具やナトリウム灯については、フルカット器具は汎用面 や企画面及びコスト面などに課題が多いため、一般的には採用していませんが、 一部の施設で採用し、効果を検証中です。 また、ナトリウム灯についても、街路灯用の規格品が少なく、コスト面などに 課題があり、一般的な採用は難しいと考えています。 なお、その他XX様からご指摘のありました、道路・公園・地下鉄などの交通 関係施設での具体的な照明の改善についてのご提案については、別紙にまとめ ました。 本市としては、引き続き、省エネルギー対策を始め、都市の快適環境づくりな どに向けた照明のあり方について検討していきたいと考えていますので、今後 ともご理解とご協力をお願いします。 陽春の候、ご健康に留意され、お過ごし下さい。                           平成10年4月9日                                (別紙) 1 道路照明について 道路照明灯は、原則として水平以上に光を出さないもので、建設省の道路照明 用標準タイプで効率のよいハイウェイ灯と呼ばれているものを採用しています が、設置箇所によっては、地域の景観等を考慮したデザイン灯を採用し、地域 のイメージに合わせている場合もあります。 ランプのワット数は、建設省の基準「道路照明施設設置基準」により、交通安 全として必要なものを選定しています。 また、新設道路においては、省エネルギーを目的としてナトリウム灯を採用し ていますが、地元からの要望により商品等が自然に近い色に見えるようにと、 水銀灯を採用している例もあります。 なお、既存の道路では、路線毎に老朽化している道路照明灯を順次改修してい ますが、この中で水銀灯からナトリウム灯への変更を検討しています。 道路照明灯の器具は、原則的に標準タイプを採用しており、グレアを抑えたも のとなっています。 また、道路照明灯は自動点滅器により夕方暗くなって点灯し、朝方明るくなっ て消灯します。夜間の交通事故防止の施設であることを考慮しながら、タイマ ーにより深夜間引消灯または半減する調光制御をし、省エネルギーに努めてい ます。 2 公園等 水平以上に光量を出さない傘付き器具(フルカット器具)の採用という提案に ついてですが、一般公園では経済性、効率性、耐久性を考慮した標準器具とし て丸傘または天板付きの100、200W水銀灯を選定して使用しています。また、風 致公園など例外的に、景観を考慮した丸形ガラスグローブ等を使用している例 もあります。 公園照明についてナトリウム灯の使用を提案されていますが、公園照明は夜間 の安全な通行と、くつろいだ散策としての明るさに配慮する必要があることか ら、樹木の緑色や人の肌色などの演色性や価格の面で、水銀灯を使用していま す。 ギラギラの眩しさ等、ランプの障害光の低減については、公園標準灯は、眩し さをやわらげる乱反射型ガラスグローブ付きの水銀灯が一般的です。1其で一 定の面積(距離)を照射できるよう配置しており、器具内に遮光板等を取り付 け、近隣への光障害を防ぐ配慮もしています。公園の照明は、園路の明るさだ けでなく樹木などの景観の照明も必要と考えています。 なお、節電タイマーの使用については、ソーラタイマーによる自動点灯・消灯 を採用し経済性を考慮しています。また、近隣公園や緑道などの多数照明は、 深夜に千鳥点灯など自動消灯とするなどの工夫をしています。 3 地下鉄 地下鉄駅舎や車両基地等、バス停留所、折り返し場、営業所等の照明について は、お客様サービス(安全・快適)と保安を重視した観点から、交通局で基準 を定めて設置しています。 この趣旨に基づき、照明器具は眩しくならないよう傘やルーバーを付けたり、 自然光に近いものを選択するなどの工夫をしています。また、省エネルギー対 策としては、エネルギー効率の高いものを選定するほか、リモコンスイッチ、 タイマー及び自動点滅器を活用して点灯時間を最小限とすると共に、営業時間 外は(深夜)は保安用を除いて全て消灯しています。また、その保安には、万 全を期しています。 照明施設に関する技術革新は、今後ともめざましいことが予想されますので、 建設費及び維持管理費等を考慮しながら、積極的に新技術を取り入れていきた いと考えています。