医療費控除の内訳書の書き方
「医療費控除の内訳書」は下のような構造になっています。
それでは、項目ごとにその書き方と、その内容について説明しましょう。上の画像の項目欄(「医療を受けた人」などの見出しの部分)をクリックするか、このページを下にスクロールしていってください。
また、具体的な記入例を見たい方は、こちらをクリックしてください。
-
医療を受けた人
これは、実際に医療を受けたり、薬を飲んだ人の名前を書きます。
ここの欄に名前が書ける人(つまり医療費控除の対象となる人)は、その確定申告をする人といっしょの家に住んでいる家族の人たちです。
すなわち、ご主人の確定申告の場合は、一緒に住んでいる奥さんやお子さん、おじいちゃん・おばあちゃんなどです。
注意点としては、
「一緒の家に住む」ということなので、「別居」している人は、たとえその申告者の扶養になっていてもダメです。また2世帯住宅も、一緒に住んでいるとは言えないでしょう。
逆に、働いていて扶養になっていなくても、一緒に住んでいれば、対象になります。つまり奥さんがパートで稼いでいても、お子さんが学校卒業して就職していても、いっしょに住んでいれば対象になります。
「家族の人」ということなので、「他人」は対象外です。難しい言葉で言えば、「民法上の親族」が対象なのです。
[内訳書に戻る]
-
続柄
「妻」、「長男」、「父」、「祖父」など書いてください。このごろ増えてきている「子」という記載でも大丈夫でしょう。
[内訳書に戻る]
-
病院・薬局などの所在地・名称
「**病院・**市**町***」と書くべきなどでしょう。
ただ、税務署から交付されている「内訳書」ではまともに書こうとすると欄が小さい、と思います。
要は、税務署さんが、「ん!これはどうかな」と思ったときに相手の病院等に連絡ができればいいのでしょうから、同封する領収書に名前・住所・電話番号が記載されていれば。この欄には「**病院」だけ書いておけばいいと思いますけど、、、
問題は、領収書に病院名しか書いていない場合です。この場合は、領収書かこの内訳書の欄に電話番号や住所を書いておきしょう。
[内訳書に戻る]
-
医療費/支払月日
1回しか通院等しなければ、「*月*日」になりますが、逆にそういうことはあまりありませんよね。
その期間に応じて、「*月10日〜15日」とか、「1月〜3月」とか、高血圧などで1年通して通院している場合は「1年中」と記載しておけばよいでしょう。
また、同じ病院や薬局に間をおいて複数回行った場合、たとえば2月に花粉症で耳鼻科に行き、8月に中耳炎で同じ耳鼻科に行った場合は、「2月、8月」や「2月他」と記載してください。
要は、この日付の欄に記載をするために、確定申告者が領収書の日付を確認して、誤って前年や来年の領収書を含ませないようすればよい、と私は考えています。
[内訳書に戻る]
-
医療費/治療内容・薬品名
ここは医学的な難しい病名や薬品名を書く必要はないでしょう。
病名であれば「風邪」「糖尿病」「虫歯」など、薬品名であれば、「風邪薬」「胃薬」「目薬」などで、いいでしょう。複数であれば「風邪薬など」となるでしょう。
プライバシーの関係で病名を書きたくなければ、「内科」とか「泌尿器科」でもいいと思います。
要は、領収書を見て「病気の治療」であることが確認できればいいのではないでしょうか。
したがって、逆に一般の薬局での薬の購入の際は、領収書に「風邪薬」とか薬名を書いてください。特に薬品以外の雑品も一緒に購入している場合は、領収書の該当品のところに「胃薬」とか書いて、雑品の金額は計算に含めないように注意してください。
[内訳書に戻る]
-
医療費/支払った金額
病院への支払金額や薬代、交通費などを計算して記載します。
まず、病院への支払金額ですが、普通の通院時の医療費では出てきませんが、入院した場合は、医療費の対象とならない「生活費」たとえば患者衣服のクリーニング代・貸しテレビ代・衛生雑費や、医療証明など「文書作成費」などは、医療費控除の対象外ですので、計算金額に含めないように気を付けてください。
また、交通費に関しては、自家用車のガソリン代等は対象外です。タクシー代については、必ずレシートをもらってください。
電車・バス代ですが、これは別にメモを作ってください。
まず、病院の領収書から、その病院に何回行ったか調べます。回数がわかったら、
「**病院行き、電車**駅〜++駅300円、バス##停留所〜$$停留所210円、通院回数5回、
(300円+210円)×2(往復)×5(通院回数)=5100円」
と書いたメモを領収書代わりに内訳書の袋に入れてあげてください。
病院によっては領主書を1年に1度しか発行しないところもあります。それも「平成11年分医療費として**円」と書いてある場合が多いようですが、このような場合は、こちらで通院日を日記等で控えておかなければなりません。ちょっと大変ですね。
[内訳書に戻る]
-
保険などで補填される金額
まず考えられるのは、入院等をして1ヶ月に支払う医療費が多くなり「高額医療費」として、健康保険から払戻金をもらうことがよくあります。このもらった金額はこの欄に記載すべき対象となります。
また、入院すると普段から掛けている生命保険から「入院給付金」なるものをもらうこともありますが、これについてもここに記載する必要があります。このほか出産したときに会社や市役所等からもらえる「出産育児一時金」も対象になります。
医療を受けて、それに関連してもらったお金がある場合は、とにかく気を付けてください。
そして、ここ記載する金額ですが、もらった金額が左の支払った金額より大きくなったら、支払った金額を書いてください。
入院の場合、人によっては高額医療の払戻金と入金給付金の合計額が医療費を上回る場合があります。このようなときは、支払った金額を書かないと、他の医療費も減額されてしまって結果的に損をしてしまいますので、注意してください。
[内訳書に戻る]
それでは、具体的に資料をまとめて内訳書を作ってみましょう。
-
最初に、資料の整理です。
(1)領主書を医療を受けた人ごとに集めてください。このとき病名・薬品名が書いていない領収書は自分で書き込みましょう。
(2)次は、それを病院・薬局ごとに分けましょう。このとき領収書に病院の所在等が書いていなかったら、診察券などを見て自分で書いておきましょう。
(3)これを日付順に並べてください。これで前年分や来年分があったら除きましょう。
(4)領収書の枚数から、交通費を計算してメモをつくりましょう。
(5)分別した領収書から医療費を計算しましょう。このときその分別したまとまりごとに「受けた人の名前」「病院」「日付」「計算金額」をメモった紙を一番上にして領収書をホチキスで止めると、あとで内訳書を書くのにとても楽です。
(6)医療に係わって戻ってきたお金がないか確認しましょう。もしあった場合は、戻り金額を計算しましょう。
-
次に、内訳書を書いてみましょう。
もう、(5)で作ったものを見ながら書き込んでいくのみですが、ここでは具体例を挙げて書いてみましょう。なお、病気に対する医療費の金額的考察はしていないので、あしからず。
(例)Aさん(申告者)あいう病院 4月5日〜15日 捻挫 20,000円
Aさん(申告者)えお薬局 4月5日〜15日 上記処方薬 10,000円
Aさん(申告者)上記交通費 3,000円(明細のメモ作成済み)
Bさん(妻)かきく耳鼻科(領収書に所在記載無し)2月〜3月 花粉症 8,000円(薬含む)
Bさん(妻)上記交通費 4,000円(明細のメモ作成済み)
Bさん(妻)けこ歯科 5月、7月〜10月 歯槽膿漏、差し歯など 130,000円(薬含む)
Bさん(妻)上記交通費 8,000円(明細のメモ作成済み)
Cさん(父)さしす医院 1年中高血圧、6月10日〜20日風邪、10月5日胃痛、7,000円
Cさん(父)せそ薬局 上記処方薬 15,000円
Cさん(父)上記交通費 徒歩のため無し
Dさん(長男)たちつ病院 11月〜12月 循環器科(入院) 100,000円(生活費10,000円)
Dさん(長男)上記の高額医療払戻金 20,000円
Dさん(長男)上記の生命保険入院給付金 50,000円
これで、内訳書を作ってみましょう。

すみません。捻挫で薬含めて3万円も掛かるわけないですよね。「例」として許してください。
項目ごとの説明どおり作ったつもりですがいかがでしょう。Dさんについては、10万円のうち生活費部分1万円を引いてあります。
[上に戻る]
以上、簡単に説明しましたが、これには「おむつがある場合」などの記載例は省略してあります。人によりいろいろなご事情があると思いますが、わからない部分は最寄りの税理士または税務署にご相談ください。