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山梨・まち[見物]誌ランデブー 第5号 特集・豊富村

初夏の雲を追いかけて、浅利与一伝説を訪ねる旅に出た

笛吹川を渡る川風

法久寺山門玉穂町の最南端を横断している笛吹川。そこにかかっている豊積橋を渡ると、豊富村浅利区である。橋を渡って二番目の道を右折ししばらく行くと、「道の駅とよとみ」がある。高速道路上のパーキングエリアとは一味ちがう、地域密着型の新しさをウリにしている「道の駅」。現在、全国に猛烈な勢いでつくられつつある。これも新手の公共事業の重要なプロジェクトの一つなのだろう。考えてみると最近はドライブ・インというものになかなかお目にかかれない。道路沿いに実に多彩な店が並ぶようになってしまった結果なのだろう。ドライブ・インのリニューアル版ともいえる道の駅の新しさは、「土地のもの」を積極的にアピールしている点だろうか。
 さて、今回の見物旅の目的は、浅利与一である。
 まず、浅利区にある諏訪神社に向かう。浅利与一によって、浅利庄(荘園のこと/貴族や社寺などが諸国に所有した広大な土地)の総鎮守(寺院や地域を守るために安置する神。また、その建物)として敬われていた神社である。浅利家なきあとも武田家、徳川家によって手篤く保護されてきただけあって、歴史の積み重なりを感じさせる神社である。
 神社には、神宝として、与一の遺物とされる「烏帽子形兜」が保管され、また、境内には与一が寄進したといわれてきた「桃形水盤(桃石)」、「舟石」、「矢の根石」などのユニークな石造物が残されていた。 (本文の冒頭より転載)

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