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双葉町
山梨・まち[見物]誌ランデブー 第16号 特集・双葉町
『双葉町ところどころ』と「楯無堰」 二つの大きな仕事に魅せられて
題名を見ただけで
『双葉町ところどころ』。双葉町在住の保坂吾良吉(ごろきち)さんという方が書いた郷土史である。
県立図書館で、茅ヶ岳西南麓を舞台に繰り広げられた用水路「楯無堰(たてなしぜき)」開削についての資料を探していたときのこと、パソコンの検索画面に表示されたその題名を見ただけでビビっと感じるものがあった。
早速書架から探し出し、ページをパラパラめくってみる。
そこには、長い年月をかけてまちに刻まれてきた伝説、文化財、歴史上の人物などに関する解説が、ていねいな文体で綴られていた。
「装丁が温かい。内容が奥深い。そしてなによりわかりやすい」
ざっと読んだだけでも、そういう本であることが伝わってくる。
しかも奥付を見ると、この本、保坂さんが執筆、編集、発行全てをお一人でされた、いわゆる自費出版されたものではないか。
筆者が調べている、用水路「楯無堰」についても詳しく記されていた。この一冊をじっくり読むだけで十分かもしれないが、ぜひ本人に伺ってみたいという衝動にかられる。「楯無堰」に関する取材はもちろんだが、保坂さんの人物像、そして、このような本を発行されるまでの物語に触れてみたかったのだ。
奥付に記されていた連絡先に電話をかけると、保坂さん、突然のお願いにもかかわらず取材を快諾してくださった。電話の向こうから聞こえるその声に、著者のイメージと重なるものを感じた。
コンテンツ
- まるで自分の子供のように
- 細い水路を流れてきた水が
- 「楯無堰」その名のいわれは
- 「楯無堰」の開削を行った宗貞は目先の利く事業者だった?
- 工事費用の増加を技術力でカバー
- 民間事業として興った堰開削
- 水は見事に流れたが・・・・・・
(注)双葉町は、市町村合併により現在の甲斐市の一部となっています。