ホーム | 会社案内 | 事業案内 | 新着情報

文字サイズ: < 小 | 標準 | 大 >

ホーム > 文化事業(ランデブー) > 第18号 小菅村

山梨・まち[見物]誌ランデブー 第18号 特集・小菅村

第18号 特集・小菅村 小菅村

中里介山の長編小説『大菩薩峠』を読む

風花が舞う道を

大菩薩峠今年はどういうわけか雪が多い気がする。取材前日から雪が降った。雪景色の小菅村を見てみたいと思った。塩山市から丹波山村を通過して小菅村に入る道をとる。山梨県でありながら丹波山村も小菅村もどこか「異国」の風情を感じてしまう原因は、村を隔てる巨大な山塊にありそうだ。ちなみにこの二つの村のマップを見てみると、その向いている方向が多くの場合、東京都奥多摩町であることがわかるはずだ。丹波山村も小菅村も多摩川の源流の村としてその存在価値を見出しているのだ。さてその山塊をアップダウンする道をひたすら進む。風花が舞い、夢見るように美しい光景がつづく。
 あちこちで除雪車が元気に動き回っていて、途中のほとんどの車道はきれいに整備されている。 費用もかかるのだろうがこうした公共の素早い対応は嬉しい。おかげでほとんど困難もなく山道を乗り切ることができた。林間に見え隠れする雪模様の美しさといったらない。その陰影。そのモノクローム。
 丹波山村から「深山のみち」に進む。そういうネーミングがなされている道なのだ。なかなか趣のある名前だ。
 長いくねくねとした下り坂が終わると、そこが小菅村だった。

入り口にモダンな案内表示がある。村内マップが描かれている大きな看板も併設されている。それにしても小菅村という文字の傍らに寄り添っている不思議な象形文字のようなものは何なのだろう?
 かたわらを流れる宮川沿いに諏訪神社があった。雪を踏み分けて巨大な杉の林の中を登る。目の先に小さな祠があった。雪の中でその祠がぽつんと傾いて見えた。近づいて声をかけたかったのだ。再び通りに戻り少し下ると、今度は左手にかなり大きな神社があった。箭弓(やぎゅう)神社だった。隣に大きな舞台のような建物が併設されており、さて、この施設は何だろうと思いを巡らした。あとでわかったことだが、実はここはお祭りの舞台だったのだ。毎年八月の第一土曜日には、ここで獅子舞が行われる。古くから伝わる村の重要な芸能である。
 それにしても村の入り口にこうした施設があると、なんとなく嬉しい。神社のお出迎えというわけだからありがたいことだ。

コンテンツ


アクセスキーメニュー解説
(H) ホーム |  (P) ページトップ |  (C) カテゴリートップ |  (Q) 問合せ |  (S) サイトマップ |  (A) このサイトについて