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●第5回エヴァリュエーション・ツアー / 山口情報芸術センター(YCAM)
公共施設の通信簿 YCAM版 結果報告書(PDF版)はこちらから この報告書をご覧になるのには、無償配布されているAdobe Acrobat Readerが必要です。 2004年1月18日、つなぐNPO「観客の学校」は、山口情報芸術センター(YCAM/ワイカム)と共催で、第5回目のエヴァリュエーション・ツアーを開催しました。 YCAMは昨年秋、山口県山口市にオープンしたばかりの市の施設。これまでの4回のツアー先は関東圏のミュージアムばかりでしたが、今回は初めて西国への遠出です。 しかもYCAMは、展示スペースだけでなく、演劇、ダンス、音楽、映画などさまざまな催しに対応可能なスタジオと市立図書館を併設する複合施設。これまで使っていたチェックポイント帳「ミュージアムの通信簿」では対応できず、新たにYCAM専用の「通信簿」をつくるためのワークショップを行った点、また「勝手にツアー」ではなく、当初から施設側と共催という形にし、協働でプログラムを運営した点が、つなぐNPOのスタッフにとっては初めての体験でした。 通信簿づくりは最初から最後まで、メーリングリストを通じて行われました。YCAMやつなぐNPOの呼びかけに応じて参加してくださったのは、YCAMをよく知る市民の方、他地域の住人ながらもYCAMの活動に注目している方、 ダンスや演劇、音楽や美術が大好きな方、図書館運営に関心を抱いている方などなど。多彩なメンバー10数人に、YCAM未体験のつなぐNPOのスタッフが加わって、昨年(2003年)の12月中旬から1ケ月弱の間に交わしたメールの数は、年末年始の超多忙なはずの時期にもかかわらず、約200通にも及んでいます。メンバーからの感想や意見、要望や批評に加え、次々に出される疑問点にはYCAMのスタッフが丁寧に回答をくださり、ML上の情報量は膨大なものとなりました。果たしてこれが1冊の冊子にまとまるものかと、入稿直前にはかなりスリリングな気分を味わいましたが、なぜか見事に収まって、からくもツアー前日に通信簿ができあがりました。チェック項目が200近い大作となりましたが、それぞれに異なった視点からの意見が反映された、充実した通信簿になったと思います(とはいえ、印刷物とは刷り上がった瞬間から、なにか手を入れたくなってしまうものですが)。 1月18日のツアー当日は、青空がとても美しいお出掛け日和。ツアー数日前からラジオや新聞、情報紙がとりあげてくださったこともあり、飛び入り参加の市民の方も多数みえ、小学生以下の子ども8名を含めて、70名を超える大所帯ツアーとなりました。 「お洒落なレストランでランチ」→「YCAMスタッフの案内による館内施設と作品見学ツアー(YCAMには、メディアアート系の作品が入場無料のスペースのあちこちに展示されています)」→「スタジオで開催の野村誠さんのしょうぎ作曲コンサートまたはゴダール映画の鑑賞」→「意見交換をかねた簡単な懇親会」がツアーの大体の流れでしたが、イベントが盛り沢山だった上に、さすがは複合施設、チェックする場所がいっぱいあって、あっという間に半日のツアーが終わった印象です。 吹き抜けの明るいロビー(ホワイエ)のテーブルでは、真剣に通信簿に書き込まれる方の姿が目につきました。また、YCAMスタッフに対し、熱心で、また時に辛口の質問が寄せられる場面もありましたし、最後の懇親会でも活発な意見の交換が行えました。ご参加いただいた方々は、かなりお疲れになったのではないかと思います。同時に充実感も感じていただけていればうれしいのですが・・・。 予想はしていましたが、できあがった報告書は、 A4版で144ページに及ぶ、分厚いものとなりました。このツアーの結果報告書(PDFファイル)をご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。 読むだけでもかなりの労力を要するこの報告書には、普段はつぶやかれたまま消えてしまうかもしれない、観客たちの感想や意見が多数含まれています。まずはこの真摯な声を館側に届け、さらにはさまざまな形で公表し、今後の活動に活かしていくことが、私たちの役目の一つだと考えています。 ところで、この通信簿づくりのワークショップと半日ツアーは、そもそもは、「トヨタ・アートマネージメント講座・山口セッション」のプレ・イベントとして企画されたものでした。つなぐNPOの理事長・山本育夫は、2月7日・8日にYCAMで開催されたこの講座のパネラーの1人ということもあり、2月8日には、今回のワークショップとツアーの経過報告を行った後、通信簿を使ってのミニ・エヴァリュエーション・ツアーも開催しました。このときの様子はこちらでご覧ください。 以下は、1月18日に行ったツアーの概要です。
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